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オレの秘書さん
今が旬

今日は京子さんとハルさんがお休みということで、お出かけから戻られて直ぐにお土産を持ってきて下さいました。


「新作のケーキがあったんだよ!○○ちゃんと一緒に食べようと思って買ってきたの」

お仕事を休憩中の私とボスにニコニコとケーキを切り分ける京子さん。
本来ならば私が給仕をしなくてはいけないのですが、ハルさんが紅茶の準備をして下さっているので何故か私とボスが隣同士で座っています。


あぁ…勿体ないくらいの距離感にドキドキします。


「今が旬のサクランボパイにサクランボショートです!どっちにしますか?」

目の前に並べられたケーキに迷っているとボスがショートの方を手に取られました。


「オレはショートにするよ。○○はパイの方にしたら?」

『はい!』

迷っていたのをボスに決めていただき助かりました。


「頂きます!」



甘く煮たサクランボとパイ生地をフォークで切り分けて口に運ぶ。


『美味しいです〜。しかも、種が一つ一つ抜いてあります!』

「ホントですぅ〜!職人芸ですぅ〜!」

「ハルちゃん!こっちのショートは生だよ!」

『うわぁ〜まさに旬なんですね!』


思わず女子トークになってしまいました…


それでも甘いものを食べているとついニヤけてしまう…と皿を見たら、横からにゅっとフォークがやってきました。



「オレにも一口頂戴?」

『ぼ、ボス!まだありますから、そちらを…』

1ホールの半分以上も残っているケーキを指差している私の制止も聞かれず、フォークで切り分けて口へと運ばれるボスに何だかくすぐったいです。



「はい、オレからはこれをあげる」

そう言って皿に置かれたのはショートの上に2つちょこんと載せられていたサクランボの1つ。


『い、頂けません!』

首を振りながらボスに言うと何やら楽しげに微笑まれました。



「じゃあさ、ちょっと遊ぼうか…」

そう言ってご自分のサクランボの房を口に入れられたボス。


それを見た京子さんは「ツナ君ったら…」と微笑み、ハルさんは「ツナさんエッチですぅ〜」と頬を赤くされました。



「はい」

ペロリと舌を出されたボスの舌先には器用に結ばれた房が乗っていました。


『すごいです!ボスは器用なんですね!』

私の言葉に3人が微妙な顔をされましたが、何故でしょうか…



「○○もやってみな?」

ボスに言われて、私もちょっと好奇心でワクワクしながら房を口に入れてみたのですが…


『…む…むしゅべましぇん…』


結べる気配も無く、3人に注目されて恥ずかしくなり私の挑戦はほどなく失敗に終わりました。



その後、ハルさんが入れてくださった紅茶を頂きボスと2人で仕事を再開させたのですが、何やらボスが思い出し笑いをされたので首を傾げました。



「ごめんごめん…。○○が口モゴモゴさせてる顔を思い出しちゃって…」

謝りながらもまたクスクスと笑いだすボスに、顔が熱くなってしまいました。


『ボス…そんなに笑わないで下さい!』

顔を背けて恥ずかしさを誤魔化しているとボスがカタンとペンを置かれ頬杖を突かれました。

その姿が絵になることは知っていますが、顔が真っ赤なのでそちらをじっと見ることが出来ません…残念です。




「ねぇ、知ってる?…サクランボの房を舌で結べる人ってキスが上手いんだって」

『そうなんで…すかぁ!?』


普通に返事をしようと思っていたのにボスの発言に思わず顔を上げると、ニッコリと微笑まれているボスと目があってしまいました。



「試してみる?」



今が旬



(ぼぼぼぼぼボス!何言ってくれちゃってるんスか?)

(あはは、敬語無くなったね(隼人みたい…)

(ハッ!?す…すみません。冗談なのに取り乱しました…)

((冗談じゃないんだけどな…))


'10.6.30up

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あきゅろす。
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