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オレの秘書さん
似た者同士


「ツナ、家光が来てるぞ」


「…え、何で?」


「知るか。自分で聞いてきやがれ」



いつも通りノック無しに入って来られたリボーンさんとボスの会話が私には全く理解できず成り行きを見守っていました。




「アイツが来る時はいつもロクでもないことばっかり言ってくるから嫌だ」


「駄々こねてねぇで行って来い」



「…分かったよ。どっちが上司だ」


最終的にリボーンさんに銃を向けられたボスが、渋々といった様子で部屋を出て行かれました。



そして、何故か部屋に残られたリボーンさんにエスプレッソを出して自分の執務机で仕事を再開させようとしたら、目の前に座るように促されました。


座るように言われたのに無言でエスプレッソを飲んでおられるリボーンさんに、何となく居づらくなった私は何か話題がないかと先程のボスとの会話を思い出しました。



『あの…家光さんとはどちら様なんですか?』

私の言葉に「知らないのか?」と前置きをしてカップをソーサーへと置いたリボーンさん。



「ツナの父親だ。現在門外顧問の総裁をしている」


『あぁ!!気がつきませんでした!沢田家光様ですか!』


何たる不覚でしょう!同じ名字ですし、親類という考えが全く浮かばなかった自分が恥ずかしいです…。



「恐らく、ツナに見合い話でも持ってきたんだろうな。ツナも早く孫の顔が見たいと会うたびに言わるとぼやいていたが…」


早く決めちまえばいいのにな?
そう言ってククッと笑うリボーンさんに無性に何かが湧きあがる。



『お父様が決める事じゃないです!!』

バーンと応接机を叩けば、ビックリした表情のリボーンさん。


『だって、ボスは好きな人が居るんですよ?なのに、勝手にお見合いとか孫の顔だとか…余計なお世話だって言うんです!』


「お…おう、そうだな。…なら、そう言ってやればいいじゃねぇか」


『そうですね!じゃあリボーンさんも一緒にそう言ってさしあげましょうよ!』


「………いいぞ」


憤慨する私はリボーンさんを連れてボスとお父様のいらっしゃるお部屋へと乗り込んだのでした。






『失礼いたします!』


「は…○○とリボーン…どうしたの?」

「お、この子が○○ちゃんか!?凄く可愛い子じゃないか!どっちに似ても可愛いだろうなぁ」

「ちょっ…クソ親父!変な事言うな!」

家光さんは気さくなお父さんぽいけれど、慌てるボスの様子にずいと前に進み出た。



『お父様のお気持ちも分かりますが、ボスの将来にお父様が口を出されるべきではないと思います!』


「「は?」」

私の言葉に親子で奇麗にハモられました。


『…ですから、結婚はボスの自由にさせてあげるべきだと申し上げているんです!』


さっきよりもトーンダウンしつつそう言うと親子で顔を見合わせられ、そしてボスの視線はリボーンさんの方へと向けられました。


「○○に何て言ったのリボーン…」



「家光が来たのはお見合い話でも持ってきたんだろっつっただけだぞ?」



「おまっ…余計な事言うんじゃね「初めまして○○さん!」…クソ親父…」



何やら雲行きが怪しいと気付いたけれど引くに引けなくてオロオロしていると、家光様にギュと手を握られました。


「君の噂は色々聞いてるよ!いや〜奈々に怒られてるのかと思ったな…これからもツナのこと宜しく頼む!」

『え?は…ハイ…』


ぶんぶんと手を振って退室された家光様にぽかんとするしかない私は、恐る恐るボスとリボーンさんに視線を向けたのでした。



似た者同士



(あの…結局何の話をされてたのでしょう…)


(あ〜〜家族会議的な話?)


(す、すみません!そんな大事なお話の最中に乱入してしまって…)


(いや、全然大した話じゃないから。(実は何故か色々とバレていた親父に○○と会って話をさせろとゴネられてたんだけど、結局会わせちゃったし…))


(…結局ダメツナも大概鈍感ということだな…)



'10/10/18up



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