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オレの秘書さん
名前を考えてみよう

お昼休みも半分過ぎた頃、ボスにコーヒーをお出しして私もコーヒーカップに口を付けようとした瞬間、たまたま机の上に置いていた携帯電話が震え始めました。

チラリとボスを見ると「いいよ」とおしゃって下さったので、席を立ち離れた窓際へと小走りに行き通話ボタンを押します。


『もしもし?…うん。あぁ、名前?考えたよ! 男の子ならリュウで、女の子ならモモナにしようかなって…』


オレは盛大にコーヒーを吹いてしまった…

男ならリュウで女ならモモナって…○○、まさかの出来ちゃった婚!?

こんな事言ったら変態でセクハラでストーカーみたいだけど、男のOの字さえ無い雰囲気だったし、その…お腹とかつわりとか全然兆候が無かっし、この前シャマルに診てもらった時も何もだったハズなのに…

それに、一応上司のオレに結婚の報告をしてくれないなんて寂しかったりして…。
というか、その相手の男がどんな奴か気になり過ぎる!


…でも祝福するしかないよな、幸せそうに話してる君にオレが今出来るのはそれくらいだから。


携帯電話を閉じ、ゆっくりと歩いて来る○○にはっきり聞いてみることにした。



「○○、結婚する予定があるならオレにもちゃんと教えてくれよ?」


私はボスから言われた言葉に目を丸くしました。
少し前にお見合いをボスに断って頂きましたし、自分の生きてきた年数=彼氏いない歴な私にいきなり結婚などという言葉が当てはまるはずもなく、ボスはきっと部下の身上把握をお考えなのだと思いました。


『予定は未だ無いです。…それに恥ずかしながら、今現在お付き合いしている人も居ません』

そう言うと段々と眉間にシワを寄せて心配そうな顔になってしまわれたボス。


「…じゃあ、シングルマザー?」

『え!?…どちら様がですか?』

話が見えず首を傾げると、ボスの表情がどんどんと曇ってゆきます。


「…今、電話で赤ちゃんの名前の相談してたでしょ?」

赤ちゃん?
シングルマザー?

…それってワタシノコト?


『ボス!勘違いされてます!私が電話で話していたのは、私の実家で飼っている愛犬のもうすぐ生まれる子犬たちの名前です!』

「へっ!?」

あまり聞いたことのないボスの声と、みるみる赤くなってゆく顔に私は笑いを抑えることが出来ませんでした。


『彼氏もいない私に赤ちゃんなんて出来る筈ありませんよ〜』

「ごめん、勘違いして。ちょっとセクハラ発言だったか…」

クスクス笑うと、ボスも頭を掻いて私に笑いかけて下さいました。



『良ければ、ボスも生まれてくる子犬の名前を考えて下さいませんか?』

「えっ、いいの!?」

『勿論です!ボスに名前を貰えるなんて羨ましいです!是非考えて下さいませんか?』


「なら、ついでにオレ達の子どもの名前も考え
『あっ!!今生まれたってメールが入りました!!』
早っ!!…びっくりするほど安産だね…」


名前を考えてみよう




(良かったね!子犬の名前もう少し待ってくれる?…そんでもって、さっきのオレの話聞いてなかったよね?)

(??? 名前楽しみにしてます!!)

'10/8/1up

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あきゅろす。
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