月の残り香
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ええ、前章後に「間奏」を入れたんですが、…俺、切ないですね…。
まあ、そのわかっちゃいるんですが。
…だって俺も好きなんだもんミカエル様のことっ!
…いいんです。泣いてないですから!わかってますから!…あっ、ここ後で削除しとかないと、ミカエル様に見られちゃう。…俺は見ましたけどね!あんなことやこんなこと!!
やばいやばい、落ち着けぇぇ俺ぇぇ!
俺はガブリエル様のお蔭で体調を戻しましたが、そのせいでガブリエル様はルシフェル様を取り逃がしてしまいました。
その少し後のお話が第1章(水晶の辺)です。
俺達はそれぞれに胸に抱えたものがありましたが、ルシフェル様の叛逆があるまではそれが表に出る事はなく、多分微妙なバランスで穏やかな日々を送っていたのでしょう。
当たり前の日常が実は一番幸せなんだと思います。
俺達に寿命はありませんから、想いが責め苦になれば永遠にそれを持ち続けなければならない。
それは想像を絶する苦痛なんです。「ヒト」とは違う時間を生きる俺達にとっての、多分代償ってヤツなんでしょうね。
確かに穏やかで誠実な天使達は沢山います。無理にその苦痛を抱える事なんかありません。それを捨ててしまえば楽になれるし、心から笑える日も来るのでしょう。だってツガイの概念がないんですからね。
そして神の愛から生まれたはずが、愛を謳歌出来ないのもなんだか変な話だと思いますよ、俺もね。
けれど、あの時の俺達はそんな事を考えることなど出来なかった。
遙か昔から大切にしていた想いが、今から思えばほんの一瞬で粉々になったんです。
そして、謳歌できなくても失くせない大切な想いがきっとあるんです。
さて、物語をはじめましょう。
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