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もしも僕が僕でなかったら(フレッド)

「ねえなまえ、僕とジョージって似てると思う?」
「…は?」


まさか双子の片割れの口からそんな質問が出てこようとは、まさか予想もしなかったであろう、フレッドの隣でレポートを書いていたなまえはその手を止めた。


「どうしたの?いきなり」
「だって君はジョージが好きだろう?」
「…私は二人とも好きだよ?」
「僕はライクでジョージはラブだってこと」

ふぅ、と溜め息をつくとフレッドは

「もし本当に似てるならジョージがライクで僕がラブな可能性もあったわけなんだよな」

と呟いた。


―そう、そうなんだよ

親でさえ間違えるというのに。
どうして君は…


「じゃあ似てないんじゃない」
「…そうかい?」
「あ、顔はそっくり」


こんなにも似ている僕らなのに
どうして君はあいつなんだろう

「バカなまえ」

突然フレッドにぎゅっと抱きしめられて、ふわりと鼻腔をつく甘い匂いになまえは目を閉じた

「……痛い痛い痛いよ」
「…ご、めん」
「でも、あったかい」
「なまえは冷たいよ」
「冷え症なんです」

そのままなまえはそっとフレッドに体を預けた。

「もし僕が今、本当はジョージでしたって言ったらどうする?」
「そんなの知らない」

上目にフレッドを睨むと腕に余計力が込められる。

「冗談だよ」
「だから痛いって…」
「なまえ大好き」
「ばか」
「ずっと友達だよね?」
「当たり前でしょ」
「よかった」

暖かい腕から解放されて目が合った。

「あーあ、なまえ、そろそろ眠くなってきただろ?もう寝ようよ」
「うん」

友達のラインを越さないように
ずっと、このままでいれればいいから

「おやすみ、フレッド」




もしも僕が僕でなかったら
(彼女は愛してくれたかなあ)




081017.
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あきゅろす。
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