[携帯モード] [URL送信]
それは俺が愚かだったからさ(HA)



離れ離れになってみて、気付いた事は沢山あった。



【それは俺が愚かだったからさ】



担任に頭下げてわざわざ見せてもらった入学者名簿に、アイツの名はなかった。
何も言わずにこの学校に入学した俺だったが、まさかこんな事態は想定外。

頭の中が真っ白になった。



「榛名はどうしてそう自分の思った事が絶対だって信じられるのさ」

今のパートナーには、あっさりとそう吐き捨てられた。
そう言えば、何故自分はこうも自信たっぷりに「アイツは絶対此所に来る」と信じて疑わなかったのだろう。


「その隆也って子には、どこの高校受けるかも言ってなかったんでしょ?」

「……、そんなん簡単に…調べられる、し…」

「誘ってもないんでしょ?」

「ぜ…絶対来るって思ってたんだよ!」

あークソ、と頭をガリガリ掻けば、横からクスクスと笑い声が聞こえた。

「笑うなッ!」

「いやだってさ〜。つくづく馬鹿だよね、榛名は」

「誰が馬鹿だ!」



アイツが入学して来るのを心待ちにしていた1年間。
アイツとまたバッテリーを組める事を楽しみにしていた1年間。

それをパァにされてとてつもなく腹立たしかったが、同時に何だかどうしようもなく虚しかった。

「どーせ『アイツには俺しかいない』、とか思い込んでたんでしょー」

「あぁーウルッセェ!だったらなんだ!」




隣りで尚も笑い続ける奴に、本気で一発くらわせてやろうかと拳を構えた。

だがそれすらもただひたすらに虚しくて、俺は自分に素直に

「あぁ…マジかよ…」

と丸まって頭を抱えた。






第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!