小説(パロ)
act.2
月曜の朝は憂鬱だ。いつもより眠ぃし、これから始まる長い一週間を思うと、意識が遠くなんだよな。俺は欠伸を噛み殺し、ぼんやりと教室を見回す。
窓際でクラスの女どもが、昨日のドラマの話をしてやがる。その甲高い声が、脳みそに突き刺さるようだ…
(……朝っぱらからテンション高ぇな)
俺はもう一つ欠伸をすると、机に伏せて目を閉じた。ホームルームまで、しばし惰眠を貪るとするか…
キーンコーンカーンコーン…
始まりのベルで目を覚ました俺の視界に、担任の見慣れたジャージ姿が映る。
「ホームルーム始めるぞー!みんな席に着けー!」
担任の近藤先生は、熱血タイプの教師だ。たまに暴走もするが、俺は嫌いじゃねぇ…ただお人よしすぎて、いじられキャラなのがたまに傷だな。
今朝も背中に『ゴリラ』って書かれた紙が貼られているのにも気づいてねぇ。…誰か早く教えてやれよ。
「えー、今日からこのクラスに教育実習生が来ることになった」
クラスがざわつく。
「おい、入って来ていいぞ」
ゴリ…いや、近藤先生がそう言って、廊下にいた奴を教室に招き入れる。入って来たのは、真新しそうな
スーツを来た男…
「よし…じゃあまず、うちのクラスの奴らに、自己紹介してくれるか」
近藤先生に促されて、黒板に名前を書いていく…俺はハッとした。その銀髪に覚えがあったからだ。
「今日から、このクラスでしばらく世話になる教育実習生の坂田銀時です。よろしく」
アイツだっ!…先週、屋上で会った…赤い目の男。今日は眼鏡を掛けているが間違いねぇ。
アイツ、教育実習生だったのか。俺はあの赤い目を思い出して、背筋をぞくっとさせた。
「トシ!お前学級委員だから、学校ん中、案内してやれや」
突然名前を呼ばれて、ハッとする。よりによって俺かよっ!
先週のことがあるだけに、さすがに気まずいよな……いや、待てよ。
野郎の顔なんざ、きっと覚えちゃいねぇ。一瞬だったしな…そう思って、俺は視線を合わさず「はい」と短く返事を返した。
にしても、教育実習生のお守りか…まためんどくせぇことになったもんだな。
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