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※名前は有里湊で固定。


ぐでー。

机に突っ伏し、ぼんやりとクラスメートの喧騒をやりすごす。
「次はなんだっけ」
「数学だよー」

クラスメートの問いに答える別のクラスメートの声。わいわいぎゃいぎゃい。よくもここまで騒げるものだと関心した。なにぶん、昨夜は疲れた。タルタロスで久しぶりに出現した死神タイプから逃げるために全速力で走り抜け、シャドウを倒し、てれってがレベルアップしたり。てれってがバカの行動して桐条先輩をおこらせたり、てれってが「俺にまかせとけ!」とか意気込んだ割に火耐性があるやつにアギ使ったり。

………。

あれ?ほとんど順平のせい?
うわぁなんだよそれ!思わず頭を抱えていると。

「有里くん?」

聞こえたのは鈴を転がしたような綺麗な声。

「さくら…」
名前でいいって言ったのに。
「ご…ごめ。湊くん、大丈夫?」
なんだか悩んでいたようだけれど。
「うん…。ちょっと昨日眠れなくて」
「寝不足?つらいもんね」

まあ本当は寝不足なんかじゃないんだけど。ペルソナのことなんていうわけにはいかない。


「そっか。なにかあったら言ってね」
わたしにできることならなんでもするよ。
「…うん。有り難う」


ふ、と。もし僕が突拍子もないことを言っても聞いてくれるんだろうか、という莫迦な考えが思い浮かぶ。(たとえば、たとえば…)ふるふると頭を振ってその馬鹿げた思考を打ち払いさくらを仰ぎ見た。ペルソナのこともタルタロスのことも知らない普通のおんなのこ。夜、一時間の間自分が象徴化しているのも気付いていないだろうおんなのこ。そう思うとこのこが酷く弱い存在に思えた。シャドウにもなんの抵抗力もなく、恐らく簡単に体の自由を奪ってしまえるだろうやわい体躯に。


「さくらは…さくらは僕が守ってあげるから」
「ふふ。なあにいきなり。変な湊くん」


自然と吐いてしまった言葉にくつくつ笑うさくらを見て一気に恥ずかしくなった。(いや本当、無意識って怖い)、でもそれが本心なのだから仕方ない。火照る顔を机に押し付け、冷めるのを待った。










言えなかったもしも
(たとえば。僕を好きになって、だなんて)

(´・ω・`)なんかもう…。久々の更新が…。



  



あきゅろす。
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