「ねえがくぽ」
「主、いかがした」
「離れて、欲しいのだけれど…!」
顔を真っ赤に染めてうつむく主は酷く可愛らしい。恥ずかしさから耳まで真っ赤に染めて。さらりと落ちる主の髪の隙間からは小さな赤い耳が覗いている。
(ああ、愛しい)
可愛らしい主を抱き込んで肩に顎を預ける。んっ、ぴくりと主の肩が揺れた。そんな行動ひとつひとつに愛しさが募る。主の細腰を掴んでこちらに向き合わせればその火照った顔を見られたくないのかうろり、と視線が逸らされる。それに少しむっとすると小さな顔を両手で包み無理矢理こちらと向き合わせた。が、がくぽ…と小さな声で呼ばれてどくりと胸が跳ねる。大きな眼に涙を溜めてちらりと上目遣いでこちらを伺う主に理性を破壊されかける。
(主、そのお顔は反則です)
かあ、と顔に熱が集まるのがわかる。主、主、主主主。愛しさが溢れる。嗚呼、この想いをどうしろというのだ。主に買われ、主に恋し。ボーカロイドという立場をこんなにも恨んだことはない。なにせボーカロイドにはこんな感情はいらない。インプットなどされていない。主の為だけに唄えばそれでいいのだ。ならばこんな浅ましい感情を持つ自分はいったいなんなのだ。人間ではないし、こんな"感情"、所謂恋情など抱くボーカロイドを主はどう思うのだろうか。
「…がくぽ?」
「主…」
もどかしい。もどかしいもどかしいもどかしい。この気持ちを伝えられたなら楽なのだろうか。いっそのこと主に出逢わなければ…ああそれはもしもなのだけれど自分自身が耐えられない。主の居ない世界など私は。
「どうしたの?」
私の顔を覗きこんできた主を見て、何かがぷつりと音を立て、切れた。その両肩を掴みソファに押し倒す。目を白黒させている主の唇に噛み付いた。
一か八かの恋心
不完全燃焼\(^O^)/
なあにこれぇ。何が書きたかったのかわからない。最初甘々の予定だったのに。
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