クラヤミ
身代わりの少女は。
「いってきまーす」
そういってツナ兄…いやもう他人だったね。
綱吉とあたしの姿をした女の子が家を出た。
何時ものように綱吉の少し後ろを歩きながら学校へ向かう。
ま、何時ものように行くわけ無いけどね。
だって、死ぬんだから。
*****
キィィィイイッ
辺りにブレーキ音が響く。
女の子は驚いている。
あたしは笑ってる。
綱吉は只呆然と眺めている。
耳障りな悲鳴と鈍い音が辺りに響く。
女の子が跳ね飛ばされた。
「あ〜あ…『死んだ』ね」
あたしは呟く。
車に撥ねられたくらいじゃ死なないかもしれないからね。
だからあたしは能力を使って女の子を殺した。
あたしが『死んだ』って言ったから女の子は死んだ。
「そうだ…」
死亡診断書を書かなきゃいけないんだった。
あたしが書くわけじゃないけど。
もしも、DNA検査とかがあったときのために女の子をあたしにしなきゃ…。
「『今死んだ女の子は沢田華音』だよ」
これで大丈夫かな?
さて、後はいっか。
沢田華音(8歳)
死亡
身代わりの少女は。
(さよなら、華音)
(こんにちは、カノン♪)
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