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クラヤミ
目覚めた少女。







痛い…。






頭が痛い…。







頭が割れそうなくらいの痛み。







辛うじて意識を保ってはいるものの視界が霞んでくる。







お母さんかツナ兄を呼びたくても今は深夜。






二人とも寝ているため家は静かだった。








そしてあたしはあまりの痛みに耐え切れなくなり意識を手放した。


































*****





「…」



気絶してからどれ位時間がたったのだろう。


まだ部屋が暗いことから朝でないのはわかる。



時計を見ようと思い体を起した。


「気がつきましたカ?」

「!?」


聞き覚えの無い声が部屋に響いた。


声のした方向に目を向けると暗くてよくわからないが人が立っているのが見える。



その人はあたしの方に歩いてきた。
でも、逃げようとは思わない。





逃げる必要が無いって思ったから。


「オハヨウゴザイマスVvカノン」


時間的にはこんばんはの気もするけど気にしない。


目が暗闇に慣れてきたおかげでその人物が誰なのかわかった。


「うん、おはよ…千年公」


口から出てきた千年公という名前。

聞いたこともないはずなのに不思議と懐かしく感じた。



千年公の表情は変わらない。
不気味な笑顔のまま。




でも、ちょっぴり嬉しそう。


「覚醒したのはいいのですガ、これからどうしましょうカ」

「このまま皆の所に行けばいいじゃん」

「行き成り消えれば探されますヨ」

「あの二人が捜索願だすとは思えないよ」


だって、二人はあたしを家族だなんて思ってないんだから。


「娘が突然居なくなったのに捜索願をださなかったら周囲に変な目で見られますからネ、出すと思いますヨ」

「ふーん…じゃぁ、どうするの?」

「死んだことにしまスVv」

「………は?」


あたしに死ねと。



また転生しなおさなきゃいけないじゃん。


「安心してくださイ」

「行き成り死ねといわれて安心する人がいるかよ」


千年公はフゥって溜め息をついて首を振る。


「わかってませんネェ。死んだフリですよ」

「あ、そーゆーこと」


納得。

覚醒したばっかりなのに行き成り死んだら千年公も困るもんね。


「とゆうわけデ、今日死んでくださいね」

「唐突だね…って今日!?」


時計を見れば既に3時過ぎ。


「カノンそっくりの人間を用意しておきましたカラ、貴方の能力で操って死んだことにしてくださイVv」

「はーい」


“でハ”ってそれだけ言って千年公は窓から出て行った。





足元を見ればあたしそっくりの人間が横たわっている。




今、あたし笑ってるんだろうな。

自分でもわかるよ。







やっと…





やっと、この退屈な世界を出られるんだ。





家族に会うのが楽しみだなぁ。





そうだ、あっちの世界を終わらせたらこっちの世界も終わらせようかな。






千年公に言ってみよう。











あぁ…楽しみぃ♪







目覚めた少女。
(精々足掻いてね)
(ね?綱吉♪)

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あきゅろす。
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