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ボンゴレ的日常
拉致

カバンから鍵を取り出して鍵穴に差し込む。

ガチャ

微かな手ごたえと金属音。

“今日は何にしようかなー”なんて夕食を考えながらリビングへの廊下を歩く。

何時も思うけどこのマンションはあたしには広すぎる。

お父さんは単身赴任、4つ上の兄貴はイギリスに留学に行ったまま永住宣言しやがった。
だから二人とも何時もいない。
ほとんど一人暮らし状態。

ガチャ


「あ、おかえり。」


ん?


「ごめんね。勝手に上がって。」


リビングの扉を開けた先にはススキ色の髪をした男性がいました。

てゆうか、謝るくらいなら勝手に上がらないでください。
不法侵入で訴えますよ。


「どちら様ですか。」

「ん?オレ?」

「貴方以外に誰がいるんですか。」


何さりげなく寛いでるんだよ。


「オレ、沢田綱吉ね。急で悪いんだけどさ、一緒に来てもらえる?」

「は?何言って…ワッ!」


突然、体が宙に浮いた。
あたしは沢田綱吉と名乗る不法侵入者に俵担ぎにされました。
ちょっと恥ずかしい。

降ろせって言いながら沢田さんの背中を叩く。
でもね、相手は男。
女のあたしじゃ敵わない。

いつの間にか外にいて。
マンションの前には車が止めてあった。
帰ってきたときにはあったような気がするようなしなくも無いような………。

こんな車止めてあったっけ?なんて考えてるうちに車に乗せられて。
隣見ればを沢田さんがいて顔は見えないけど銀髪の人が運転席に座ってる。


「獄寺君、車だして。」

「はい。」

「待てこら、誘拐で訴えんぞ。」


軽く脅しては見るものの“うるせぇよ”って銀髪の人に言われる。

拒否権なしかこの野郎。

しかも、“君のお父さんに頼まれたことだから罪にはならないよ”ってにっこりと効果音がつきそうな笑顔で言われた。


な ん だ と 。


ていうか、父よ。
貴方は何考えてるんですか。
実の娘を誘拐してもらうなんて…。

しゃーない、あきらめよう。

お父さんに頼まれたとはいえ嘘かもしれない。
けど、顔知ってるんだし。
名前は偽名使ってるかもしれないから信じないけどね。

なんかあったら携帯で誰かに電話かメールすればいい。


「あ、これからイタリア行くから。」


な ん で す と 。


「パスポート持ってないです。」

「自家用ジェットでいくからいらないよ。」


ブルジョワか。


イタリア語喋れないんですけど。
フランス語ちょっと喋れるくらいですよ。



いや、待て。
自家用ジェットとはいえパスポートは必要だと思うのだか…。





ていうか、あたしは家に帰れるのだろうか。
物凄く不安なのだが。


.

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あきゅろす。
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