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ボンゴレ的日常
日常

「璃玖、起きてー。」

「っ…」


友達の声であたしは目を覚ました。

まだ沈みきらない太陽。
夕日が教室も友達の千穂もそしてあたしも、学校中が真っ赤に染まっている。

イヤ、きっと日本中が真っ赤になってるんだろう。


「もー、何時まで寝てるのさー。」

「ゴメン…。」


本気で怒ってないと思うけど千穂に謝罪を述べながら机の脇にかけてあるカバンを掴む。


「はーやーくー。」


千穂は既に教室の入り口にいてた。


「早くしないと校門閉まっちゃうよ。」

「大丈夫だっていざとなったら鍵ぶっ壊して開ければいいじゃん。」

「Σ駄目だよっ。」


“えー”とか言いながら千穂の後ろを小走りでついていく。


「あっ、それよりさー…。」


夕日で染まった校舎を走りながら千穂と他愛の無い話をする
昨日あったテレビ、今月発売のマンガ、今人気のCD、学校中にある噂話、教師への愚痴、今日出された課題…etc.

何処にでもいる女子高生。
それがあたし、足達璃玖。

刺激が足りないなんて思いながらも、実際、マンガみたいなことがほんとになったらそれはそれですごくイヤ。
主人公でも主要キャラでもなく通行人Cあたりでいいよ、あたしは。

なんて考えてるうちに学校を出て何時もの帰り道を千穂と二人、並んで歩く。
前にはあたしと千穂の長い影。


「って、璃玖聞いてる?」

「聞いてるー肉まんっておいしいよねー。」

「違うからっ!」

「でもさーピザまんもおいしいんだよねー。」

「……あぁうん、そうだね。」


千穂が“璃玖はもう駄目だ…”みたいな目で見てくる。

ひどいなぁ。


「じゃっ、あたしこっちだから。」


そう言って千穂は手を振る。


「バイバーイ、またらいねーん。」

「また明日の間違いだろ。」

「そーでーすねー。」

「あたしゃタ○さんか!」


“あはは”なーんて軽く笑って手を振った。








(同じことを繰り返す日常はつまらないけど、実は結構好きだったり。)




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