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二つの空を仰ぐ
3


「ぬっほ!テレビでかっ」

「そう?」

「うん!病室と比べるとめっちゃでかい!」



病室と比べるなよ…



「あ、あの、私は客人なので地べたで…」

「椅子でいいから!!ほら、座って!」



カタンと手前の椅子を引くと紅夏は申し訳なさそうにゆっくりと座る。

それとは逆に梨舞はテレビの前にしゃがみ、スイッチを押した。



「付いた。ねーツナっち!テレビ付けてもいい?」

「もう付けてんじゃん!」



記憶を失っても天然健在…

ある意味恐ろしいんだけど


オレ達も椅子に座り、テレビに目を移す。

そこでは、山火事のニュースを流していた。



「俺等も気をつけねーとな、火事とか」

「うん、危ないもんね」

「火使えねぇ奴が火使うから火事なんかになるんですよ」



普通の一般人はダイナマイトなんて持たないからね…

舌打ちする獄寺君を尻目にまたテレビの方を見ると、梨舞の肩が若干震えてるのが分かった。



「…梨舞?」



獄寺君もそれに気付いたらしく、恐る恐る梨舞の名前を読んだ。



「梨舞?」



だが返事は無く肩を震わせながら俯いた。


それに反応し、獄寺君はゆっくりと立ちあがり梨舞の方へと向かう。


獄寺君があんなに心配そうな表情はほとんど見たことないから驚いた。

やっぱり獄寺君って梨舞のこと………



「大丈夫か梨舞…」

「やっ!!」



肩に触れようとした獄寺君の手を振り払う梨舞。
だがその後、目を見開き…



「!!…ゴメッ…」



と言った瞬間、フッと獄寺君の方へと倒れた。



「梨舞?!」

「梨舞ちゃん!」

「大丈夫です。気を失っただけなんで…」



獄寺君の腕の中にはクタッとなった梨舞。
良かったと安心したのも束の間。

リボーンの



「まずいな。これがシャマルの言ってた奴か…」



その場が凍り付いた。



「梨舞が記憶を取り戻すか、それとも…精神が破壊されるかの山場だぞ」





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あきゅろす。
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