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二つの空を仰ぐ
4

「記憶喪失?」

「あぁ」


獄寺君たちと別れた後、病室に行くと雲雀さんがいて
その視線の先にはベットに座って雲雀さんを不思議そうに見る紅夏がいた

直ぐにシャマルに知らせようと思い病室を出て来た道を引き返す
途中、目に入った梨舞の病室には獄寺君と山本がいて
奥には二人を見つめる梨舞がいた
梨舞も紅夏と同じで不思議そうに二人を見つめていた



直ぐにシャマルを呼んで二人を診察することになり
そして今、その結果を聞いている


「理由は精神的なものだろうな」

「精神的…?」

「リボーンから大体の話は聞いたが、恐らく六道骸の幻覚で二人にとって一番見たくない、思い出したくない何かを見たんだろう」


脳裏に頭を抱えて倒れる紅夏の姿が浮かんだ


「どうしたら記憶が戻んだよ」

「一番簡単なのは二人の何かがわかれば戻るかも知れねぇ、けど…」

「けど、何だよ」


部屋にいたオレ、獄寺君、山本、リボーン、雲雀さん
その全員がシャマルを見る


「精神崩壊する可能性もある」


体が凍りつくってこのことかもしれない、なんて思えた


「記憶を戻すには失ったときと同じだけのショック与えるのが有効的だが、二人の場合は精神的なもの…つまりはトラウマ。
外傷的なショックによって一時的に記憶喪失になる場合もあるが、二人の場合は心の問題だ。
 記憶喪失になるくらいそのトラウマに触れられたくなから無理矢理忘れたんだろう」


無理矢理にでも忘れたかった記憶

それはきっと、頭で想像はできても心は想像できないと思う


「いくら記憶喪失で頭が忘れても体の記憶ってのはそう簡単に消えねぇからな…。
 もし、二人のトラウマに再び触れたとき、二人がどうなるかオレにもわからねぇ」


シャマルの表情も言葉も全部が真剣で
言ってることは嘘じゃないってわかって、怖くなった











二人の記憶が戻って欲しいのに


その術があるのに


それはすごく危険で


もう二度と、二人に会えなくなるかもしれないって思えたんだ…














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