二つの空を仰ぐ
3
「ったく…何でテメーまでいんだよ…」
「いいじゃねーか。オレだって梨舞が気になるんだしよ」
「そうだよ、獄寺君」
隣にいる野球馬鹿に何時もみてーに文句を言う
何時もみてーに十代目になだめられる
けど…何時もみてーにいかねぇ
黒曜の事件から二週間がたった今でも梨舞と紅夏は眠ったまま
オレと野球馬鹿は動けるようになってから毎日のように梨舞の見舞いに行ってる
十代目は最近やっと動けるようになった
それからは、毎日のように紅夏の見舞いに行っている
出会ったのは極最近で
でも、二人のいない日常はどこかつまらなく感じた
それは、オレだけじゃなく
十代目やリボーンさん、野球馬鹿
それにヒバリのヤローまで
「じゃぁ、此処で」
梨舞の病室の前で十代目と別れた
ガラッ
病室の扉を開けてベットに目を向ける
そこには、開いた窓から入り込んでくる風で銀色の髪を揺らす少女
「「梨舞…?」」
オレと野球馬鹿の声が重なる
何時もなら怒るとこだけど今はそんな場合じゃねぇ
「え…?」
緑色の瞳がオレたちを捕らえる
でも、その瞳には何時もみたいな鋭さとか気だるさがないように思えた
「え、と…誰?」
戸惑いがちな表情と声
目の前にいるのは梨舞のはずなのに
梨舞じゃない別人だと思えた…
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