二つの空を仰ぐ
2
「ちょっと………!あの、けっこう歩いたし、ちょっとや…休まない?」
しばらく歩いているとツナが皆に声かける。
あーあ、足震えてるよ。
まだ1キロくらいしか歩いてないのに。
「そーだな。オレ、腹へってきたぜ」
「ついでに飯にしましょうよ、10代目」
「う…うん」
「あそこなんてどースか?」
獄寺はたくさん藻がついたテーブルとイスがあるところを指差した。
「……汚いんだけど」
「なっ!ならテメェは地面にでも座りやがれ」
「そっちの方がどう考えても汚なくなるし」
「テメッ…」
「2人共、落ち着いて!!」
「ボクは落ち着いてるけど。獄寺が食い付いてくるんだよ」
そう言ってる間にも山本はテーブルの上にお茶と寿司を置いている。
「んじゃ、寿司と茶を配るぜ」
「どきなさいよ。山本武」
コポコポと飲み物とは言えないものをコップに注ぎビア姉はツナの前に差し出した。
「はい、ツナ。緑黄色野虫のコールドスープ」
「虫ですかーー!!」
「お茶じゃなくてスープなら別にいいじゃん」
「良くないから!」
「冷たくて寿司なんかよりおいしいわよ」
「いや、あの」
「見た目あったかそうだけどね。」
「ハハ、確かにな」
先程からツナは涙目になってばかりだけどさ、ビア姉の好意なら飲めばいいのに。
その瞬間、その汁は爆発して溶けた。
あーぁ、弁当まで溶けた。
まぁ腹減ってなかったからもとから食べるつもりは無かったけど。
すると、獄寺はいきなり建物にダイナマイトを投げ、爆発させた。
そこには、楽器を持ち黒曜の制服を着た女の姿。
「…ダサい」
「誰がダサいですって?!」
「そのヘアピン」
「ヘアピン?!制服じゃなくて?」
予想を裏切られたとでも言いたげな顔でボクを見る女。
「まー、せーぜーうろたえなさい。私はあんた達をあの世に送って
バックと洋服買い漁るだけ」
楽器を吹くとまた汁が爆発する。
「ひぃぃ〜〜〜まだ死にたくない〜〜〜〜!!」
「私がいくわ」
「ビアンキ!」
「あなた、まちがってるもの。大事なのはお金ではなく…
……愛よ。」
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