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二つの空を仰ぐ
1

山本がどっかに落ち、動物人間と戦っている間、ボクは皆から離れて軽くしゃがんだ。


心臓がズキズキする



「にゃろう…」



こんな時に、痛くなんなくてもいいじゃん。

いつもタイミング悪すぎ…

ボクは持ってきた小さいサイズの水が入ったボトルと薬を取り出し、体に流し込んだ。



「あと10分」



この薬が効くまであと10分。
即効性らしいけどボクからしたらとんでもないくらい長い。

こんなに長い10分は人生で一生無いと思う。

…その一生がいつまでなのか分かんないけど。


心臓をギュッと掴み、痛みに耐える。
息が切れながら、ふとツナ達を見た。

いや、ツナは見当たらず、山本とツナ以外が下を覗いていた。

そして、目を瞑る。








もう一度、目を開けるとそこには、



「んだと?砂まくぞコラ!!」

「甘いわハヤト」



岩を穴の中に落とすビア姉。



「ヒクヒクしてるけど、あれも死んだフリかしら」

「…何やってんの?」



まだ足元はおぼつかないけど、ツナの横に並ぶ。



「いや、山本が1人倒したんだけど…」

「あっそ」

「だが奴のいうとおり六道骸をあなどらねーほうが」



リボーンが何かの説明をしている間、ボクはこれからのことが考えたーーー











その頃、



「六道骸様」

「おや、目を覚ましましたか?3位狩りは大変だったようですね、千種」

「ボンゴレのボスと接触しました」

「そのようですね。彼ら、遊びにきてますよ。犬がやられました。」



千種が慌てるようにベットから出ようとする。
それを骸が制した。



「そう慌てないでください。我々の援軍も到着しましたから」



すると千種はある一点を見つめるように睨む。



「…………」

「相変わらず無愛想な奴ねー。久々に脱獄仲間に会ったっというのに」



そこには黒曜中の制服に身を包んだ男女5人。



「何しにきたの?」

「仕事にきまってんじゃない。骸ちゃんが一番払いいいんだもん」

「答える必要はない…」

「………………」

「スリルを欲してですよ」

「千種はゆっくり休んだ方がいい。ボンゴレの首は彼らにまかせましょう」



骸がそう言うとドサッという物音。
そこには分厚く大きい本を落としたフゥ太の姿だった。


そして…


バンッ!


勢いよくドアが開く。



「骸!この制服…ダサい!」

「おや?似合いますよ紅夏」



黒曜中の制服を身につけている紅夏の姿。



「嬉しくないっつーの」

「まぁ…確かに紅夏よりは梨舞に着せたかったですね」



ポッと少し頬を赤く染める骸。



「ちょっ…何考えてるわけアンタ?!」

「彼女に着せたら…きっとかなり可愛いんでしょうね。」

「梨舞を変な目で見るな!大体何でそんなに知ってるわけ?過去を見ただけなのに」

「最近、夢で会いましてね。彼女は小さい時から可愛いらしいです」

「…ならアンタも知ってるでしょ?あのこ、本当は…」

「知ってますよ。でも恋に障害はつきものです。その位わけありません」

「…どうしよう。そのセリフだけ聞いてればかっこいいと思うけど、全部知ってるあたしからしたらアンタはただの変態だよ」

「かっこいいと言う褒め言葉もどちらからと言えば梨舞から言って貰いたかったですね」

「それはそれは失礼しました!ついでに言えば褒めてないし!!」

「クフフフフフフ」



と骸は笑いを零した。





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