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二つの空を仰ぐ
4

ガラッ


「お兄さん!大丈夫ですか!」


ツナが病室に駆け込んむ

それに続いて僕も病室に入った

因みに此処にくる途中『フゥ太』と『了平』さんについてきいた
了平さんは京子のお兄さんらしい

どんな人だろ


「おー
沢田、早いな
情けないがこのザマだ」


頭や腕に包帯を巻いた男がベッドの上にいた

痛々しいな


「ひいいい!!どーしてこんな目に〜!!?」


ツナが頭を抱えて叫ぶ


「怪我の具合はどーだ?」

「骨を6本折られて7か所にヒビ…
 そして……」


了平さんは付けていたマスクをはずす


「見ろ歯を5本持っていかれた」

「ああ!!」


それを見てツナが又叫ぶ


「といっても
 ボクシングで折っていてもともとさし歯なのだが」


此処は笑うところなのか?


「しかし襲ってきたあの男…
 油断したとはいえ恐ろしく強い男だった………」

「え?犯人見たんですか!?」


ツナが了平さんの話に反応した


「ああ
 奴はオレの名を知っていった
 あの制服は隣町の黒曜中のものだ………」

「ええ!?中学生ですか?」


ツナ、何回叫んでるんだよ
いい加減うるさい


「うむ…
 沢田も気をつけろよ」

「お兄さんまで!オレは関係ありませんって!」

「しかし………くそっ」


突然、了平さんの目が鋭くなった


「あのパンチはわが部に欲しかったー!!」


そっちかよ


「ん?それよりこいつは誰だ?」


了平さんは僕を見る
そういや初対面だった


「どーも、白石梨舞です」

「京子が前に話していた奴か
 もう一人の神崎とかいう奴はいないのか?」

「此処にはいませんよ」


敬語めんどくさいな


「ところでボクシング部に入部せんか!?」

「イヤです」


暑苦しい人だな


「そうか…
 話は変わるが京子にはこのことを正直に話していない……
 あいつすぐ心配するんでな、口ウラを合わせといてくれ」

「え…?」


ガラッ


「お兄ちゃん!!」


すると京子が勢いよく入ってきた


「どうして銭湯の煙突なんて登ったの?」


なんだそれ


「お兄ちゃん…………それ本当にネンザなの………?」


無理ありすぎだろ
しかも京子はそれを信じちゃってるし


「うそ!
 ネンザで入院なんてするの!?」

「ひどいネンザなんだ」


この兄妹の会話面白いな


「でも良かった…
 生きてて……」


京子は純粋なんだね

僕と違って



僕たちは無言で病室を出た


.

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あきゅろす。
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