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二つの空を仰ぐ
3




闇の中





誰もいないのかと思うと声が聞こえた






「おじさんたち、だぁれ?」



一人の幼い女の子と二人の男



「お嬢ちゃん、お菓子は好きかい?」

「すきー!!」



女の子は笑う


男達も笑う



それは女の子のような明るい笑みではなく



卑しい笑み







この光景見た事ある気がする





あぁ、そうだ






此れはあたしの記憶だ








ぼんやりしていた頭が覚醒する

この先に起こることを思い出してしまい
急に怖くなる





体が震える





唇をかみ締めて叫びたくなるのを堪える





目を逸らしたくても逸らせない





イヤだ…






見たくない








イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ













「ぃやぁっ!!」


あたしは飛び起きた

息が荒い



ふと手首に違和感を感じ見てみると縄で縛られていた

ついでに足も



此れをみるとさっきの夢の続きを思い出ししまいそうになり、また体が震える


「おや、目が覚めましたか」


何時からいたのかは知らないけど聞いたことのある声がした


朝、曲がり角でぶつかった他校生の声だ


「あんたは…」


おそらくこの男があたしを此処へ連れてきたのだろう

因みに此処はどこかの廃墟



「初めまして、神崎紅夏さん
 僕は六道骸です」

「六道、骸…?」

「はい」


六道骸はあたしと同じくらいの目線になるようにしゃがんだ


「六道、何であたしを此処に連れてきた」

「骸でいいですよ
 理由はいたって簡単です
 沢田綱吉の体を楽に乗っ取るためですよ」

「ツナを……?」


この男
何が目的なんだろう


「ツナの体を乗っ取るためだかなんだか知らないけど
どうしてあたしが此処に連れてこられてんのさ」

「貴方を利用するため、ですかね」

「ハァ!?何いって…ザシュッ…いった…」


突然、フォークみたいなので腕を切りつけられた


当然、傷口からは血が出てくる
傷口から流れる血は制服の上に落ちて滲んでゆく



「契約ですよ、クフフフ…」

「契、約………?」



そしてまた、口に布を当てられた





クロロホルムの匂い




また、瞼が重くなってきてあたしは眠りについた






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あきゅろす。
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