二つの空を仰ぐ 2 「何で言った、紅夏」 梨舞はあたしを睨んできた。 え…?何か…いつもより雰囲気ピリピリしてない? あたしは必死に言い訳とも言えない言い訳を口に出す。 「いや…だって何か…バレてたし」 「……この際、リボーンは許そう。だけど…何でツナの前で認めたの」 「あ…」 そうだった。ここにはツナも居たんだった。 あたしは急いでツナの方を見る。 ツナは…目を見開いていた。 「あの…梨舞の寿命ってもしかして…」 ヤバイ。 バレるかも… 「ツツツ…ツナ!何のことかな?」 「紅夏、ドモりすぎ。怪しい」 「いや、あたしだってもっと時間あればいい嘘つけたんだよ、梨舞」 「知ってる。時間あればアンタはボクよりいい作戦も嘘も作れる天才だからね。素敵素敵」 「わー!流石梨舞!誉め上手!」 「ハイハイ。その調子で、ボクがツナに伝えたい事、言って」 「了解!!………って、え?」 アレ?もしかして…今、 「……使われた?」 ギギギッと音がするように梨舞の方を向く。 すると、梨舞は不気味な笑顔で言う。(梨舞の笑顔自体珍しすぎる) 「アハハッ、単純な人って良いよね。愉快愉快」 DAMASARETA★ 「年上を使うなー!」 「いいから説明しなよ。ツナ、聞き出そうだよ」 “なら自分でしろよ” と呟きながらも、あたしはツナの顔を見て話しはじめる。 ちなみに梨舞は読書を始めて、リボーンは銃を磨きはじめた。 「ツナ…本当は梨舞、アリスを使うたびに命を削るタイプなんだよ」 「え…!」 「でもお願い。梨舞の事、差別しないで」 「ど、どういう意味?」 あたしは、読書中の梨舞を横目で見ながら言う。 「梨舞さ…特別扱いって言葉、嫌いなんだよね」 アリス学園でもそう。 スペシャルのバッジも付けたところなんて一度も見たことない。 誰よりも何よりも特別扱いを嫌い、憎むんだよ。 梨舞は。 「ツナ、お願いだからさ…今まで通りに接してくれないかな?」 「そうそう。心配無用」 口を挟んだのは、ベッドに横になり、本を読みながら煎餅をバリバリ食べる梨舞 何処から出したの、その煎餅 いいなー、あたしも食べたいなー 「って、事でよろしく。ツナ」 あたしは、頭を下げる。 チクショー。悔しい… 「あ、頭なんて下げないでよ!!特別扱いなんてしないからさ!」 「本当…?」 「本当、本当」 「…ツナ!」 あたしは勢い良くツナに抱きつく。 良かったー… コレで梨舞からアフロにされないですむ! 「ちょっ…紅夏!」 「どーした、ツナ?顔赤いぞ!」 目の端では、何故か銃の安全装置を外すリボーンの姿も見えた。 え、何で?←鈍感 「もう1つ。言う事があるよ。紅夏」 「え?」 「ツナ、この事は誰にも言うなよ?言ったら… 焼き殺すから」 梨舞は手のひらを上に向けて、赤い炎を出す。 そして、ツナを見る目は… 前に1、2回だけ見た、 任務直後でまだ気を張ってる時の目に似ていた… ツナも空気を読んで、コクンッと頷く。 「…じゃ、それだけだから」 梨舞はそう言うと、布団に潜り今にも寝息を立てようとしていた。 「そ、そろそろ寝よう!はい、おやすみー!」 無理やりリボーンとツナを追い出し、ドアを閉める。 「梨舞…ゴメンね」 「…別に。」 「…お休み」 「ん。」 パチンッと部屋の電気を消した。 . [*前へ][次へ#] |