二つの空を仰ぐ
1
紅夏が風呂に入りに行き、部屋は静まる。
ボクは、机に置いてあるアルバムと制御アイテム。
そして、三毛猫のお面の3つを手に取り、ベッドに座った。
そして制御アイテムとお面を横に置き、アルバムを開いた。
「棗…ルカ…」
ボクのアルバムの3分の2は棗とルカと一緒に写ってる写真。
残りの3分の1は紅夏とか…B組の人達とか…
キャラじゃないのに、無性に逢いたくなった。
「…馬鹿じゃん」
ボソッと呟き、ドアの方を向き
「…居るの分かってるけど。
リボーン」
音量はいつも通りに。
だけど、静粛な部屋には響いた。
そして、ドアが開く。
「よく分かったな。気配は隠してたのに」
「殺気なんて出されてれば気配があるようなもんじゃん。
…わざとだろ?」
「…何で分かった?」
リボーンはボクを睨む。
そりゃあ、可笑しいよね。
いくら、特殊能力と言われるアリスがあっても、【殺気】【気配を消す】なんてものは普通に生活していても分かるはずない。
じゃあ、何でボクは分かる?
そんなの、答えは一つ。
「任務でよくやられるから」
危険能力系は、命懸けの任務が主だ。
中には人殺しがあるくらい…
「そうか」
リボーンはそう言って、帽子を少し下げた。
「…で、それだけ?」
「いや…お前のアリスの寿命の形の話だ」
「は?なら、教えたじゃん。2だよ」
「違うだろ。………4…だろ?」
「証拠は?」
図星を指されて内心バクバクしている。
だけど、そこはポーカーフェイスと言う仮面を被った。
「今日アリスを使った時に、血を吐いただろ?」
「…痰だって言ってんじゃん」
「俺は見たぞ。血をな」
嘘だ。
あのリボーンの位置、角度からは見られない。
むしろ、紅夏以外からは見られないように隠した。
分かっている。
これはおとり
カマの掛け合いなんだ。
「何の話?」
「とぼけんじゃねぇ。紅夏からも聞いたんだ」
この赤ん坊はボクの自滅を望んでいる。
紅夏から聞いたのも本当かも知れないが嘘かも知れない。
こんなアリスの寿命なんかでこんな空気はありえない。
でも…仕方ないじゃないか
「紅夏本人から言ったと言う言葉を聞くまでは信じない」
「…なら、調度いいな」
リボーンは、ドアを見つめると…
ガチャッとドアが開いた。
そこには、紅夏と……………ツナの姿が。
「…何で、ツナ?」
何で、一緒にいるの?
まさか…
「一緒に入「ってないから!」」
ツナが必死に弁解する。
ツナによると、喉の渇いたからリビングでジュースを飲んでいた所に風呂上がりの紅夏もやってきて一緒に来たとか…
すると、リボーンは紅夏に
「梨舞のアリスの寿命が2じゃなくて4だって事、俺に教えたよな?」
ちょっ…そこにツナ居るし…
バレるじゃん。
「うん。言った!…あ、良かったよね?梨舞」
紅夏は風呂前と変わっていつも通りの笑顔でボクに振り向いた。
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