二つの空を仰ぐ
3
朝のHRが終わる。
するとクラスの大半が紅夏と梨舞の回りに集まった。
嫌だなぁ…こーゆーの。
“外”のボクしか見ない安易な奴等と話すことなんて無いのに…
「梨舞ちゃんって何好きなの?」
「紅夏さんは好きな人いる?」
ボクハ何モ欲シナイ
願ウダケ無駄ダカラ
護ラナクテイイモノノ側ニ居タイカラ…
ボクハ弱イカラ…
「好きなのは…猫。三毛猫より黒猫が好き。好きな人は居ないけど大切な人ならいる」
だからボクは護らなくていい棗、流架、ボクの姉…そして紅夏が大切なんだ。
「…ちょっと行ってくるね」
「え?何処に?」
一人の女の子が問う。
「馬鹿の所。困ってるみたいだからね」
妖しげな笑みを浮かべてボクは言った。
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