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dream-wj
どうしてすべて消していってくれなかったの?
 
朝、目が覚めたら衛士がいなかった。
だけど、それもいつものことだと、頭でうざったいほど暴れていた髪をまとめて、TVの電源を入れたのだ。





■どうしてすべて消していってくれなかったの?





TVのリモコンをその辺に置いて、洗面所で歯を磨き、それから台所へと立った。

本当は衛士にも朝食を、と思っていたが時計の針は既に11時を回ろうとしていたのだから仕方がない。


「せめて、起こしていってくれても良いとも思うんだけど…」


そんなことを思いながらも、彼が寝ている私を起こそうとしないのは百も承知だったので気にしてはいない。

ふいに、たまたま流れていたニュースが耳に入ってきた。

どうやら、大きな事件でもあったのだろうか?TVの中が騒がしかった。


「あー…だから衛士か、うん」


低血圧な頭を働かせ、その事件に衛士たち刑事が現場へ向かったのだろうと勝手に予測をたてる。

が、その予測は綺麗に、予想もしなかった方へと裏切られた。


"──警察の笹塚衛士さんが"


TVから聞き慣れた名前が発せられた。


「え、いし…?」


目玉焼きを焼いていた手を止め、火を消すのも忘れてTVの前まで駆け寄った。


"亡くなったとみられるのは警察の一人で、"


その後はもう聞きたくなかった。

衛士は警察でも腕が立つ人間のはずだ。普段はやる気が無さそうでも、やるときはやる種の人間なのだ。

そう易々と、この世界から消されるはずがない。だからこれは何かの誤報、そう思いたかった。










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あきゅろす。
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