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ξ
「原咲 稚明。なんて無駄に綺麗な名前」
「お前も森藤 椎麻なんて無駄に書き順多いだろ」



これを人は恋という


「入学式だな!高校生だな!ひゃっほい!」

「お前うざいよ」



そう冷たくあしらうと何を思ったのかグスッ、グスッと泣き真似をしはじめた幼馴染。
つーかお前なんかといるよりなぁ、早く彼女作りてーんだよ。

こちとら高校生になったら彼女なんてすぐ出来るぜ!見てろよ母さん!!なんて馬鹿げたこと言ってたんだよ、この野郎。




「うんうん、わかるよ、その気持ち。なんかキャワユイ子いないもんなぁ」

「お前はどうしてそんなに人をイライラさせんのが得意なんだ、あぁ?」

「……当たりといったら4組の…なんだっけ、森藤 椎麻だ!すっげぇ可愛いらしいぜ!」

「森藤 椎麻…ほぼ植物みたいな名前だな」

「そーゆーこと言うからお前はモテないんだと思うよ?俺は」




4組なら一緒のクラスだよな。
森藤 椎麻か、どんな奴だろ。あ、入学式で見たはずなんだけど忘れた。


可愛いとかこいつの基準広いしなぁ。結局そこまでの奴なんていっぱいいた。




「ちょっと、あんたら邪魔。それと人の名前何回も口から出さないでくれる?」

「………森藤 椎麻…?」

「顔も知らずに名前を言ってたの?」




何こいつ、そんな目をした目の前の森藤 椎麻。



よし、幼馴染の縁切ってやろう。
何こいつ、性格不細工じゃないか。顔は悔しいが文句なしだけど。
口悪ぃよ。まつげバッサリの目で睨まれんの精神的に怖いんですよ?わかってる?




「た、ただの噂話」

「…ならいいけど。寝癖直したほうがいいんじゃない?イケてる顔が台無しだよ。…原咲 稚明君」

「は、?」




ふ、と口元だけで笑って去っていた森藤(画数多いな)。
残っているのは幼馴染と俺と手の上にある黒色のクシだけ。




彼女がほしいとか言ってる場合じゃねぇ。
なんだ、不特定な奴じゃなくてアイツなのか。





「森藤 椎麻は本当、当たりだわ」






頬染めて、発覚
(心臓ばくばく×2)










あきゅろす。
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