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「他の野郎を考えてるときそんな顔するわけ?」
これでも一応告白です。
「あ。昨日のクッキーもどき超不味かったんですけど」
「あんた、本当失礼」
せっかく調理実習のテーマがクッキーだったからあげたのに。
甘いものが好きって言ってたから勇気振り絞って可愛くない感じで渡したのに。
「甘いもの好き?」「好き」
って流れなのにドキリと心臓が跳ねたじゃないか畜生。
「森藤、無駄に画数多い森藤」
「原咲、無駄に綺麗な原咲」
「…よーし。腕がなるなぁ」
「明らかに殴ろうとしてるよね、コレ。あれ?悪いこと言った?」
そうだよ。無駄に画数多いとか言われたんですけど。
原咲に言い返してもいいはずだ!
「あ、そだ。原咲、明日ケーキ作るけど食べる?」
「……どぉーせ、森藤の食べ物なんて誰も好んで食べないだろ。俺が身代わりになってやるよ」
あ゛あああああ。
キュンと来たあたしは末期なんですか、もう。
嫌なセリフ聞かされてるのに、もう。
「気持ちわりーよ」
「…あたしが気持ち悪いの?」
「うん」
「歯ぁ食いしばれ」
気持ち悪い?
お前、あたしの数少ない女の子になる時間を何一言で済ませとんじゃい、ボケ。
「お前がほっぺた染めるのは俺を想ってるときだけでいいんですけどぉ」
不器用な僕ら。
(もはや鈍感な僕ら。)
不器用な僕ら。は「ゆびさき に きす」様限定のシリーズ小説にしたいと思います;)
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