[携帯モード] [URL送信]
大穴と小言

平子真子…。
私の次の日に転校してきた男子。

そして黒崎の後を付けた日、つまり平子が転校してきたその日。

私は逆さまに浮いてるのを見た。
まぁ私も上から黒崎たちを見てたから浮いてたけど、なんか怪しい。

しかもあいつは井上さんに抱きついた。
あれはかなりなんでかイラついた。


そしてあいつが転校してきてから黒崎のは少し様子が変だったりする。

お昼休み、私にパンをくれたときは笑ってたけど

今、私は寝床である公園の木で平子について考えている。

それから、黒崎について。

そもそもなんで、私が潜入しなきゃいけないのかがわからない。

それにかなりぶっちゃけて私、………あの人が嫌いだ。

だから本当はこんな任務したくなかったりする。


『あ〜、憂鬱だぁ』

―――ドンっ

何かが落ちた。

『これは…!!』

モヤモヤしていた気持ちは一瞬で消え去って私は立ち上がった。

何かが落ちたところはもわもわと煙が上がっている。

私は響転でそこに移動した。


煙があがる場所には隕石が落ちたような大穴。
その中に私は移動して、そこに立つ細い影に抱きついた。


『ウルキオラ様ー!!』

「ルイスか」

『なんで迎えに来てくれないですか!?この鬼、鬼畜、ドS』

「黙れ」

抱きつく私をべりべりと剥がすように、制服の首もとを掴む。

ぱっと手を離して、地面に落ちる。

ゲシっといつものように頭を踏まれる。

「お前、任務はちゃんとしているのか」

『いえす、私はちゃんと任務してます。』

「ならいい。」

『ウルキオラ様、今日は派手な登場ですけどどうしたんですか?』

「任務だ」

「そーなんですかー」

私は頭の上にあるウルキオラ様の足をのけて立ち上がる。

「おーい、ウルキオラ。なんだそいつ、人間か?」

「…………」

『いえ、私は…』

ウルキオラ様の横にいたのはヤミーさんだった。

「よく見ると…お前の従属官に似てるなぁ」

「ふ……ただの塵だ」

『ちょっ、ウルキオラ様!?』

なにその面白そうな遊びを思いついちゃった的な悪そうな笑顔!?

「こいつのことはどうでもいい。」

そう言うとウルキオラ様はぴっちり首まで閉めていた服を胸元くらいまで開けた。

『ぶふっ』

「………」

あまりの衝撃に私は鼻血がでてしまった。
なんてこったい!!なんでわざわざ開けちゃうんですか!?
私を殺す気ですか!

『何で開けるんですか!?』

「なんだその鼻血は、気色悪い。その間抜け面をどうにかしろ。」

まぁひどい!!

『知ってますか、ウルキオラ様!気持ち悪いって言われるより気色悪いって言われる方がショック大きいんですよ』

「知るか」

即答ですか!?少しくらい私の言ったことについて考えて欲しかった。

「しかし面付いてた頃に何度か来たが相変わらず現世はつまんねー処だな。霊子が薄すぎて息しづれえしよォ」

ヤミーさんはなんだか文句を言っているみたいだ。
嫌なら来なきゃいいのに。

今まで私をあり得ないものを見るような目で見ていたウルキオラ様は視線をヤミーさんに移し、睨む。

「文句を垂れるな。俺は一人でいいと言ったはずだ。来たがったのはお前だぞヤミー」

ウルキオラ様の言葉に適当に謝り、ヤミーさんは穴の外に出る。

外には人の気配がする。
きっと隕石が落ちたとかでこの穴を覗きに来たんだろうか。

「ルイス」

『なんでしょう、ウルキオラ様』

「その役立たずの人形の中から出ろ。」

『はい?』

「この任務が終わったら、虚圏に戻る」

ウルキオラ様がそう言ったその時だった。

なんだか変な音が聞こえた。
空を見上げると空には魂ぱくが集まって見えた。

『うわぁ…なんか気持ち悪いな』

「いいからさっさとしろ」

『はーい』

私は移動していつも寝床にしている木の上の方に体を引っ掛けて、ウルキオラ様のもとに戻る。


ウルキオラ様は穴から出てきていて、まだ文句を言っているヤミーさんに小言を言っている。

私達の周りには、魂を抜かれた人間達が転がっていた。

『グロテスク』

「結局何匹殺せばいいんだァ!?」

「一人だ。それ以外を殺す必要はない」

ウルキオラ様、もうすでにきっと何百という方がさっきのヤミーさんでお亡くなりになってると思いますよ。

『いだだだだだだだた!!』

私の心の声が聞こえたのか、ウルキオラ様は私の髪の毛を力いっぱい引っ張る。

そしてそのままきっと任務の話をしているんでしょう。
私には全くわからないけどもね。

それよりその力いっぱい引っ張る手を外して欲しい。


「驚いたな、生き残りがいるぞ」

あ、ちょっとウルキオラ様が驚いた顔してる。

ちょっとキュン

引っ張ってる髪の毛をさらに引っ張られる。

このままだったらきっと私、はげちゃう。

ウルキオラ様が見た方を見るとそこには有沢さんがいた。

『………!』

私は急いで首に巻く布で顔が隠れるように頭に巻く。

そんな私に気づいたのかウルキオラ様が横目で私を見る。

「知り合いか」

『クラスの子です。』

見られては無いと思う。
私が立ってるのはちょうどヤミーさんの真後ろの方だからあの大きさだからきっと隠れてるはず。

「ウルキオラ、こいつか」

ヤミーさんがウルキオラ様に問いかけた。

「よく見ろバカ。お前が近づいただけで魂が潰れかけているだろう」

少し馬鹿にしたように口の端を持ち上げる。

「ゴミの方だ」

ウルキオラ様のその言葉が合図となり、ヤミーさんが有沢さんを蹴ろうした。


―――ドゴォ!!

何かとぶつかる音がした。


見ると、そこには私に美味しい飲み物をくれた茶渡くんと有沢さんを庇う井上さんがいた。


.


あきゅろす。
無料HPエムペ!