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任務とメモ


「あ、るいすちゃんおはよう!」

「井上さん、おは「グッ」

私の挨拶はある女子の挨拶によって遮られた。

「モーニンひーめ〜〜〜!!!」

「ひゃあっ!!」

眼鏡をかけた女子は井上さんに後ろから抱きついた。

しかもあの女子ならばきっと憧れるであろう胸を鷲掴みで


なんだろう、男らしい。


――ゴッ

そして眼鏡の彼女に見事な蹴りが入る。

「ぶふぉ…夏は終われどツッコミは健在ね…」

「だからツッコミじゃないっつってんでしょ!!」

蹴りを入れた女子は男らしく鞄を担いでいる。

「まったく!夏でも秋でもサカリっ放しねあんたは!!それにほら転校生引いてるわよ」

しゅびっと私を指さす。

『あ、私?』

「あんた以外いないでしょう、転校生は」

「気にしないでこれがあたし達の挨拶よ!!慣れよ慣れ!!」

「違うわよ、勘違いしたらどうするのよ!」

『い、いや大丈夫ですよ。』

目の前で繰り広げられる会話にいろいろ困惑してます私です。

「そうだ自己紹介してなかったよね。あたし、有沢たつき。よろしくね。」

有沢さんは笑って手を差し出してくれた。

『羽賀るいすです。よろしくお願いします』

「あたし本匠千鶴、よろしく」

『よろしく』

千鶴ちゃんって言うのかこの勇敢な行動をする子。

「俺は浅野啓吾です。よろしくお願いします。羽賀さん」


いつの間にかいたのか、目の前に男子がいて私の手をとっていた。

『うぇい!?びっくりした……よ、よろしくお願いします…』

やっぱりウルキオラ様がかっこいいなー。なんて思いながら挨拶していると教室の扉が開いて先ほど別れた茶渡くんと黒崎が入ってきた。

さっきまで目の前にいた男子は黒崎たちの元へ駆けていった。


「イーチーゴゥ!!!」

「おーす」

『早っ』

あとあれは挨拶なの殴られてるよ!?
てかさらに踏まれてるよ!!?

「おっはよう、黒崎くん」

「……む」

「おはよう、今日も脳天気な髪で何よりだな」

黒崎は人気者のようだ。
メモっとこうと。

『本匠さん、あの眼鏡の人は?』

「あ、あれは石田っていうクラスの奴よ」

『そうなんだ、ありがとう』

黒崎、井上さん、茶渡くん、石田って人はかたまって話をしている。

でもあの石田って人の挨拶は嫌みにしか聞こえなかったや。

というより人間の挨拶は恐ろしい。

時間は過ぎ、SHの時間。

「素敵なお知らせだ!今日も転校生がいる。」

「おー」

出席を取り終わり越智先生がそう言っている時だった。

ボローウボローウという変な音と、黒崎の変な声。

井上さん、茶渡くん、石田って人が一斉に黒崎を見る。

そして越智先生が転校生を呼びに教室の外を見ているすきに黒崎はトイレだと言いながら教室から出ていった。

井上さんや茶渡くんも同じように出て行った。

クラスの人の意識がそっちを向いてるすきに私も窓から外へとでた。

一応監視する任務なので。

黒崎たちが向かう方向には、虚の気配。

死神代行だから、倒すのか。

よし、またメモっとこう。

私が追いついたとき、ちょうど黒崎は虚と戦っていた。

『あれがあいつの刀か。包丁みたい』


いろいろとメモしていると虚は消えてしまっていた。

「ただの虚だし、俺だけで良かったのに」

「ぶっちゃけ便所っすって抜け出してみたかったの」

「井上、ぶっちゃけ過ぎだ」

楽しそうに話す三人を私は空中から見下ろす。

『仲良いんだ』

「黒崎一護か…」

私の呟きとほぼ同時に声が聞こえた。

隣の方をみる。
私と逆さまの方に頭がある。


「なんや?」

『誰…?』

私たちはお互いを見る。
見たことないけど、男子の制服を来ている。

てかなんで宙に浮いてるの?

あっちからすれば私もそうなんだろうけど

そして、その男子はいつの間にか消えていて黒崎たちももうその場には居なかった。

(教室にかえるか)


そう思い私はその場を後にした。

教室に帰った私に待っていたのは越智先生のげんこつだった。

『いっ……!?』

「いつの間に、教室から消えてるんだ。いなくなるなら一言言いなさい」

『ご、ごめんなさい…』

怒られてしまった。

それから越智先生に席に着くように言われた。

「るいすちゃん、どこ行ってたの?」

『ちょっと気になることがあって』

「そうなんだー」

井上さんはにこりと笑っていた。

「よーし、じゃあ改めて転校生の紹介をするぞー」

転校生の紹介が始まり、私は教室の中を見渡す。

そう言えば、なんだか黒崎以外にも霊力がある人間が多い気がする。

これも一応メモした方が……。

「おとなりさんやなぁ、仲良うしてや!黒崎くん」

「お、おう」

大きな声がしてそっちを向くとさっき逆さまに浮いていた奴が黒崎の隣に座っていた。

『……あ』

私の呟きは自分にしか聞こえないような大きさだったはずなのに

私と1日違いの転校生はこちらを向いてニヤリと笑っていた。

なんだかデンジャラスな香りが…


あぁ、ウルキオラ様。
私は早く虚園に帰りたいです。



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あきゅろす。
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