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説明と無視


「説明するのを忘れていた。と言うことで今から説明する。」

全く悪びれた様子のないウルキオラ様。

「今朝お前が変な顔でいびきや変な寝言を呟きながら寝ていたときに藍染様から俺たちが呼び出された。」

「へぇ、いびきかくんだねキミ」

『かきませんよ!失礼な』

「安心しろ。藍染様にはちゃんと説明している。踏んでも蹴っても起きないからおいてきました。とな」

『最低ですよ、ウルキオラ様』

あ、なんか涙出てきた。
なんなの、この人。
乙女の秘め事をペラペラと。

「本題だ。お前は今から人間共の中に潜入し、オレンジ頭の人間を観察また弱みを探ってこい」

その人間と言うのは『死神代行』らしい。

『え?ちょっと訳わかりません。パードゥン?』

「お前は今から人間の中に潜入しオレンジ頭の人間を監視そして弱みを探れ」

『は!?』

何度聞いても理解できない。いや、理解したくないだけかもしれない。

一度で理解しない私にイラついたのか私の耳を思いっきり引っ張った。

『痛い痛い痛い痛いですってば!!』

「どうやらこの耳は飾りのようだな。飾りなら俺が今すぐむしってやろう」

『嘘です!聞こえてます!』

ちっ、と舌打ちをして耳を離してくれた。

きっと今耳は真っ赤だろう。本当にとれるかと思った。

『言わせてもらっていいですか!』

「言え」

『絶対に無理ですよ!潜入って言ったって絶対監視観察する前に見つかって戦いになりますよ!』

「誰がこのまま行くと言った」

ハァと大きなため息をついて、ザエルアポロさんに視線を向ける。

「やっと僕の出番かい」

ニヤリと笑って私の方を見る。

「そのままで行ったらキミの言うとおり戦闘になる。だから、そこに僕が必要になるんだ。藍染様に頼まれて死神が使ってる義骸っていうのを真似して作ったんだよ。キミはこの体で潜入するんだ」

ザエルアポロさんは細かい設定とかは色々気にしちゃ駄目だからね、と茶目っ気たっぷりに言う。

ごめんなさい。細かい設定とか言っちゃ駄目でしょう!?

さて話は元に戻してザエルアポロさんは私の格好をしたマネキンみたいなものを取り出した。

『私、そっくり…』

不気味なくらいそっくり…。

「失礼だな。そっくりに作ったんだよ。」

眼鏡を直しながら笑う。少し怒ってるみたい。

「本当に間抜け面がそっくりだな」

『喧嘩売ってるんですかウルキオラ様』

「ほめてるだけだ。」

『むぅー!!』

真顔でそんな事をさらっという。絶対馬鹿にしてるのに、言い返せない。

「もし喧嘩を売ってるとして、お前がその喧嘩を買うのか?」

ふんと鼻で笑う。

『買ってあげましょうか?』

「止めておけ。お前じゃ、一分も持たん。わかりきった事をやるほど俺は暇じゃない。」

腕組みをしてそう言うウルキオラ様を睨む。

「はいはい、そこまでにしてくれるかい。話を戻すよ」

私はウルキオラ様を睨んだまま返事をした。

「キミはこれに入って、その目的人物の通う学校に通う。なんか色々な手続きは終わってるらしいからさ」

『逆らっちゃ駄目ですか』

「駄目だ、これは藍染様直々の命令だからな」

ちょっと冗談を言ってみただけなのに、ウルキオラ様が睨む。

「明日から任務だから。準備しておけ」

『はーい』

ザエルアポロさんから体を受け取ってウルキオラ様の自宮にもどる。

『ウルキオラ様』

「なんだ。」

『なんで私なんですか?』

部屋の中に体育座りしたり、ゴロゴロ転がったりしながら疑問に思ったことを聞いてみた。

ウルキオラ様は転がる私を足で止めて(つまり踏みつけて)言った。

「馬鹿でチビで間抜けだからだろう。一番、餓鬼っぽいしな」

『そんな理由ですか!?』

「よく考えてみろ。俺やグリムジョーが潜入してみるとする。」

『ポリスに捕まると思います』

そう答えると、軽く蹴られた。

「色々な意味で無理だ。詳しくは知らん」

『そうですか…』

ぶっちゃけてみると少しウルキオラ様の制服姿も見てみたい。

でもよく考えたら、グリムジョーはただの不良にしか見えないし。
ウルキオラ様は顔色悪すぎだし。
ノイトラさんはなんつーか、人普通に刺しそうだし。

その他は圏外だしな。

『はぁ、めんどくさい』

「そう言うな。」

ウルキオラ様の足をのけて起き上がる。

『ウルキオラ様、私がいないからって泣かないでくださいね。夜には帰ってきますから』

「おい……もう一度言ってみろ」

『夜には帰ってきますから?』

「違うその前だ」

『私がいないからって泣かないでくださいね?』

「それだ」

ガシッと首の布を引っ張られる。

「誰がお前がいないからと言って泣くか。むしろうるさいのがいなくなってせいぜいするわ」

『ちょっと、暴力反対。てかひどい!』

「あとひとつ言わせてもらうが、俺もお前の見張り役で一緒に行くからな」

『は?』

「馬鹿なお前だけで行かせるわけないだろう」

『マジですか』

「ああ、と言うわけだ。明日も今日みたいに寝坊してみろ。そうだな…跳び蹴りだ」

ニヤリと笑うウルキオラ様に私の背筋はぞくぞくしっぱなしです。

『あり得ないです。もっと優しく、例えばこんな感じで…』


「ルイス、朝だ。これ以上は遅刻だ」

『もうちょっと寝たいでふ』

「駄目だ」

『えー、何でですか?』

「俺がお前に跳び蹴りを食らわさなければならないだろう?」

『…ウルキオラ様(きゅん死に寸前)』



「死ねばいいだろう」

『ちょっと!?妄想じゃないですか!それくらい許してくれたっていいでしょう!?私にだって妄想する権利くらい…』

「ない。うざい。死ね」

『酷い…』

妄想する権利を奪われた私は何を楽しみにこれからを生きていけばいいんですか?

落ち込む私をみて、大きなため息をついた。

そして部屋の奥に歩いていった。

『いいもんいいもん、ウルキオラ様にバレないようにこっそりひっそりねっちょり妄想するもん』

「気色悪い」

『へぶしっ』

言葉と何かを投げつけられる。
触ってみるとふわふわと柔らかい。

「明日の準備をしてさっさと寝ろ」

『はーい、了解しました。いつもの場所お借りしますね』

「外で寝ろ」

ウルキオラ様の言葉を無視し投げつけられた布団を抱えていつも寝ている場所に向かった。





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