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反撃と退却



「井上…話したとおり有沢を連れて下がってくれ」

「うん…無理しないでね茶渡くん…」

茶渡くんは井上さんと有沢さんを逃がすためにヤミーさんと戦うつもりのようだ。

なんだか茶渡くんの手が何か変わっている。

私みたいな馬鹿でもヤミーさんと茶渡くんの力の差はわかる。

勝てないのになんで向かってくるんだろう。

「ウルキオラ、こいつかー」

ヤミーさんの問いかけに少しイラついているようなウルキオラ様

「お前もうちょっと探査神経を鍛えて自分で判断できるようになれ。一目見ればわかるだろう」

『……』

「そいつもゴミだ」

「そうかい」

ニヤリと笑うヤミーさんと腕に力を溜めた茶渡くんがぶつかる。

結果はわかりきっていた。


『……』

「ルイス」

『はい』

「俺の後ろにいろ」

『え?』

手を引いて私を隠すように立つウルキオラ様

まさか、これは…

ゴーサイン!?

『時は満ちた!いざ行かん…ぎゃふっ』

ルイスは飛びつくの攻撃。

ウルキオラ様は防御ついでに肘打ち。

さらにウルキオラ様は、“凍てつく瞳”を使った。

「死にたいのか?」

『ののののー!!』


ルイスは恐怖で動けない。

「ゴミどもはヤミーに任せて置いて…まずはお前がきちんと任務をこなしているのか聞かせてもらおうか」

ウルキオラ様は、ルイスの作戦を“命令されろ”に切り替えた。

『任務ちゃんとしてますよ!失礼な』

「この数日間の事を報告しろ」

『そうそうウルキオラ様聞いてください!私、忘れっぽいから忘れないようにメモしたんです』

「よこせ」

ひらひらとメモをさせるとしゅっと奪ってしまうウルキオラ様。

ひでいお人だ。

腰に手を当て私のメモを見るウルキオラ様の腕に自分の腕を勝手に組ませる。

振り払うのが面倒なのかウルキオラ様は何もしなかった。

久しぶりすぎるウルキオラ様は、ルイスにとって酸素のようなものです。

「ルイス、貴様」

『はい?ぴぇぇえ!?』

ーーーぐわしっ

誉めてくれるのかと思って顔をあげると顎をわしづかみされてる。

ぐいっと顔が近づいてくる。そんなまさか、こんな人前でいきなりだなんて!?

しかし間近で見るウルキオラ様はとってもかっこいいです。

人間の男(特にアサノとかアサノとかアサノとか)なんて、比べちゃウルキオラ様に失礼ですよね。

「なにゴミどもに餌付けされてるんだ、この馬鹿が」

『ほえ?』

そんな近くで“凍てつく瞳”で睨むなんて卑怯ですよ。

ルイスは50000のダメージ

HPもうないよ。

『餌付けなんてされてません!』

「ではこの『コーヒー牛乳、茶渡にもらった。黒崎はパンくれた。じつはいい奴かもしれない』というメモはなんだ」

『そ、それはただの日記です』

「よく言うわ」

はっと鼻で笑う。
ウルキオラ様、なんだかキャラ変わってる!!

しかもちょっと伸びてるウルキオラ様の爪がほっぺに刺さって痛い。

ーーーバチンっ

その時、ウルキオラ様の背後ですごい音がした。

そこには驚いた顔をした井上さんと虫を潰したみたいな顔したヤミーさんがいた。

「ウルキオラ、こいつ珍しい術使うから手足もいで藍染さんとこ連れてくか」

『……!?』

「いや」

ウルキオラ様は私から手をのけて振り返って言った。

「殺せ、ヤミー」

ニヤリと笑うヤミーさん。
ヤミーさんの手が井上さんに伸びて当たる直前。


「悪い、井上。遅くなった」

「黒崎くん…」

「…心配すんな、俺がこいつ等を……倒して終わりだ!!」

『ウルキオラ様っ、ってきゃあっ』

ウルキオラ様に黒崎が来たと伝えようとしたら黒崎から渦が起こる。

それは風を起こし、風は強く私は立ってるのもやっとな感じだ。

そんなとき急に風が優しくなる。

『え?』

ウルキオラ様が壁のように私の前に立っていた。

「……もう少し気をつけろ、馬鹿が」

『も、申し訳ありません』

「オレンジの髪に…黒い卍解。間違いないな」

『はい』

目だけをこちらに向けたウルキオラ様に頷く。

「そいつが標的だ、ヤミー」


ウルキオラ様の声を聞いたヤミーさんは黒崎と戦いを始めた。

それからはすごかった。
ヤミーさんの腕が切り落とされたり、黒崎がぼっこぼこにされてたり。

これはこれは恐ろしいことでした。

パンの恩返しもしていないのにね…。

しかしヤミーさんが留めを誘うとしたとき、帽子のオジサン(?)と色黒のお姉さんが黒崎の前に現れた。

ヤミーさんはお怒りのようです。

お姉さんに拳を下ろすヤミーさん、でも気がつけばヤミーさんは一回転して土に転がっていました。
しかもなんか殴る蹴る攻撃されてます、ヤミーさんが。


『な、なんですか』

「ほぉ」


一瞬の出来事に目をこする。
ウルキオラ様は面白そうに笑う。

お姉さんは帽子のオジサンから何かを受け取り、井上さんの方に歩き出す。

どうやら治療をするようです。

さっき黒崎を助けようとして、ヤミーさんに叩かれていた。

あれはたぶんかなりの怪我だ。

『(私には関係ないことだわ)』

「ばはぁ!!」

ヤミーさんが起き上がった。

しかもかなりお怒りのようで、虚閃を撃とうしとりますがな!?

どんどん力が集まる。

私の呟きとヤミーさんが虚閃を放つのはほぼ同時だった。

目の前は土煙で視界がはっきりしない。

「俺の虚閃をこの距離でかわせる…ワケ…が」

ニヤリと笑うヤミーさん、でも土煙がはれてその笑顔は固まった。

井上さんとお姉さんの前には、帽子のおじさんが立っていた。

それを見るなり、ウルキオラ様が溜め息をつく。

「…帰るぞ」

『え?』

そう呟いたウルキオラ様は響転でヤミーさんの前に移動し、赤い衝撃波を手ではらった。


『ほえ?』

ねぇウルキオラ様。
どうしてこっちに飛んでくる?

『きゃぁぁああああ』

衝撃波は私の足元にぶつかり、私はギリギリ避けてウルキオラ様のところに距離で移動する。


『何するんですかぁあ!?』

「ちっ、外したか」

無表情だけどすごく悔しそうなウルキオラ様。

『悔しがらないで下さいよ!馬鹿、アホ、鬼!』

叫ぶ私を無視してウルキオラ様はヤミーさんを落ち着かせるように、お腹に手をさす。

なんだか、私に当たらなかった怒りをぶつけているようにも見えた。

「なに…しや…がる」

「頭に血あげすぎだヤミー、こいつらは浦原喜助と四楓院夜一だ。そのままでは勝てん。退くぞ」


ウルキオラ様が空間に穴を開け、道を開く。

「逃げる気か」

「らしくない挑発だな」

ウルキオラ様は笑い、そのまま言葉を続ける

「さしあたっての任務は終えた。藍染隊長には報告しておく。」

『ほぎゃっ』

私をガルガンタの中に蹴り入れてながら、自分も入る。

「あなたが目をつけた死神もどきは殺すに足りぬ塵でしたとな」


そう言い終わると、ガルガンタは塞がり私達は虚圏に帰った。



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あきゅろす。
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