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大魔王くんりん

『すっげぇー、跡部って本当に金持ちなんだね!』

「………おい、鳳。そのうるせえアホを黙らせろ」

「はい」

『はっ、あたしを黙らせるなんて365日早いんだよ!』

「365日って短かっ」

『恐れ入ったか、あーはっはっはっはっはっはっはがっ!?』

「宍戸さん、さっきの何秒でした?」

「およそ3秒」

『んー!んふふふんふがぁー!!』


只今、氷帝テニス部レギュラー
跡部の別荘にて合宿中!

バスの中でうるさいということで隣りの席の長太郎に口をガムテープで塞がれ、バスに揺られの三時間。
山の中の別荘にたどり着き、早速レギュラーは練習を始める。


『うべぇっ、ガムテープの味がする』

「ふふ、おもしろかったよ芽依達の漫才」

『漫才じゃないやーい!』

「おい、お前らマネージャーとして来てるのを忘れんじゃねえ」

「そういや、そうだったね」

『うるせえ、アホベ』

「芽依…てめぇ喧嘩売ってんのか、アーン?」

『お客様、当店ではスマイル0円のサービスはございますが喧嘩0円サービスは取り扱っておりません。』

「あー、うぜーマジでうぜえ!おい椎木こいつを黙らせろ!」「亮くーん、かっこいい!」


「聞け、ゴラァ!!」



「楓、跡部が可哀想だから話聞いてやれ。」

「あ、うん。練習頑張ってね」

「応援ありがとな」

「ううん」




その後、結局長太郎に怒られてしまった。
跡部は先輩なのに後輩(てか、魔王だよ大魔王!)に頼りすぎだよ。
うん



そして今、夕飯のメニューを考えちゅう。


「晩ご飯何にしようか」

『うーん』

「練習の後だからなぁ…」

『あっ!ねえ、これは?』

「何々?ふむふむ」

耳元で思いついた料理名を教えると、楓ちゃんも賛成してくれた。

「いいじゃん、それ」

『でしょ?早速つくろ』

「そうしましょう」


****


がっしゃーん


練習がちょうど終わった後、別荘の方からすごい音がした。
いやな予感しかしないのは俺だけかな…

跡部さんを先頭に、台所へ走る。

「なんだ、さっきの音は!?」

「大丈夫か、楓!」

「なんか、焦げ臭くないか?」

「あ、みんな練習お疲れ様」

『ぶへっ、げほ、ごほん』

「ご飯できたよ、まぁいろんな意味でヤバいけれど」

『忍足、お好み焼きってこんなのだよね?』

「は?」

『お好み焼き』

「この黒いの?」

『うん!』

「何言うてんねん、これ真っ黒やん。焦げてるやん!」

『焦げちゃった』

「あかん、こんなもんお好み焼きやないわ!俺が作り直したる」


そう言って台所へ忍足さんは消えていった。

「芽依」

びくり

『は、はい!?』

「さっきの音は何?」

『えーと、滑って皿割っちゃいました。』

「ふーん」

『ごめん』

「怪我しなかった?」

『うん、あ、でも破片拾ってて指先切っただけ。だから大丈夫!』

「大丈夫じゃない、馬鹿」

『何故だ!?』

「ほら、カットバン」

『あ、ありがとう』

何か起こるだろうと持っていたカットバンが役に立った。
明日からも持ってたほうがいいかな。


台所では、忍足さんが「よう見てろよ、これがお好み焼きやからな!」と言いながらお好み焼きを焼いていた。


宍戸さんは椎木先輩が宍戸さん用に作ったお好み焼きを照れながら食べていた。

なんだか、もう自由だな。
うん。




(ほら、その黒いの頂戴)
(へ?焦げてるよ?)
(いいから)
(はい)
(…苦い)
(だから言ったじゃん)
(てか、何ボーっとしてるの。早く食べなよ)
(え、あたしも!?)
(当たり前)
口に押し込みちゅう
(いやぁぁぁ!!)

(お、鬼だ…)
(助けて、ぴよしぃぃぃぃぃ!!)








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