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大ゲンカ

「もういい、勝手にすれば」

『言われなくても勝手にするもん!』

「ばか芽依!」

『うるさい、サーブ以外目立たないくせに。あほ長太郎!』

「なっ!?」


バンッ


「……ちっ」

あいつ、結構気にしてることを…。
あとで、頭グリグリしてやる。

「おいおい、どうしたんだお前ら」

「何でもありません」

「何でもありませんて自分、あれは何でもなくないやろ」

「俺、知ってますよ」

「日吉っ、恥ずかしいから言うなよ!」

「まあ、あれは恥ずかしいな」

日吉がいるのを忘れて喧嘩してしまった。

※宍戸たちは言い合いの途中に入ったため理由を知りません。

「アーン、気になるだろうが」

なんでだろう。いつもは食いついてこない先輩たちが今日に限って食いついてくるのは何故!?


ガチャ

「おーい、向こうで芽依が泣いてたんだけど…ってここもすごいなぁ。どうしたんだ?」

「それが…」

「分からへんねん」

「…………」


泣いてた?
なんであんな事で泣くんだ?


「鳳、いいのか?」

理由を知ってる日吉も少しびっくりしてる。
だって、あんな恥ずかしい理由の喧嘩で泣くのか普通はわからない。

「………はぁ」

「長太郎?」


昔からだ…


「向日先輩、どこにいましたか?」

「ん?あ、あぁ芽依か。あいつならすぐ外にいたぜ」

「ありがとうございます。」

向日先輩に居場所を聞いて部室を出ようとドアノブに手をかける。

「あっ、勢いよく開けたらっ…」

ガチャ…ゴン

「は?」

『あいたぁぁぁぁ!!!』



「………遅かった」

ドアの向こうからすごい叫び声が聞こえた。

そぉーっとドアの向こうを覗いてみると頭をおさえて倒れてる芽依がいた。

「あ…だ、大丈夫!?」

『大丈夫じゃない〜』

部室の外へでて、大丈夫か聞くと予想通りの返事が返って来た。


「頭見せて」

『うぅ…』

「ごめん」

『うぅ…いい、あそこにいたあたしも悪いから』



「………」

『………』


さっきの事があってしばらく沈黙になる。

(何、黙ってるんだよ長太郎!)
(うるさいぞ、宍戸。気付かれるだろうが!)
(そう言うお前もうるさいわ)


「『あ、あの…』」

「『あ、お先にどうぞ』」

(あー、もうあいつ等付き合いたての中坊かいな)
(忍足さんも十分うるさいですよ)
(そうだぜ、侑士!)


「俺が言う」

『…うん』

「さっきはごめん」

『……ううん』

「本当にごめん」

『あれはあたしも悪いから。それより…』

「ん?」

『すごい酷いこと言ってごめんね、本当はあんな事思ってないんだよ』

「いや、気にしてないから。」

『でも……』

(酷い事?)
(あー、あのサーブ以外ってやつやろ)
(あれは酷かったな)
(結構気にしてるみたいですね、鳳のやつ)



「いいから、いいからこの喧嘩の話題は終わりにしよう。はい、終了!」

『………』

「ほら、そんな顔しないで」

『……』

「しょうがないなぁ」

『にゃっ!?きゃははっはは、こしょばいっ』

「ぷっ、やっぱり芽依はいつも通りが一番だ」

『そうだね』

「それにおでんの中身は人それぞれだし」

『うん、今考えたら馬鹿みたいだね』

「本当に…、ぷっ」
『ふふふ』

「『あはははは』」

(お、おでん!?)
(おい、日吉。どういう事だ)
(そのままですが?)
(おでんの中身の事で喧嘩したんか!?)
(…人には知られたくないな、あんなに隠してた理由が分かったぜ)
(てか、おでんってなんだ?)
(((はっ!?)))



昔から喧嘩すれば俺が謝っていた。
小さい頃から、芽依に泣かれると謝ってしまう。
かなわないなぁ。




(さぁてと)
(およ?)
(覗き魔さんに何しようかな)
(覗き魔さん?)

(なんや、俺らヤバくない?)
(かなりヤバいですね)
(ああ、かなりヤバいな)
(どうするよ!?)
(はん、この俺様が…)
(外まで丸ぎこえですよ、先輩?)
((((ぎゃあああ!!!?))))










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