軽い復しゅう
私、野宮芽依ピンチです!
理由は、何個かあります。
一つ、幼なじみの長太郎を背負い投げしようとし、失敗してしまいその後ごちゃごちゃあり宍戸に勘違いされました。
『んで、どうしたらいいと思う!?楓ちゃん』
「別に、どうも?」
はい、ここで悩んでいる可哀想な芽依ちゃんを見捨てるような発言をしたのは宍戸の彼女で私の親友の椎木楓ちゃん。
「別にいいじゃない」
『どこがいいのさ!?』
「あ…」
『ん??』
「ふふ、亮くんにはいちおう言っておくわ。だから、長太郎くんもそんな怖いオーラを出さないで?」
『長太郎?』
「呼んだ?」
『のわぁっ』
楓ちゃんが私の後ろを見ながら微笑んでいた。
しかも長太郎の名前がでて。
何かと思ったら後ろに知らない間にいるし。
「椎木先輩、こんにちは」
「はい、こんにちは。じゃあ、私はお邪魔しないように…」
「いえ、すぐ終わりますから。」
「あら、そう?」
なんだか、楽しそうな会話してるな。
なんかムカムカする。
『長太郎。なんの用さ』
「はい、これ」
『何これ?』
「知らないよ、先生に渡すように頼まれただけだし。あと、辞書貸して。てか、返せ」
渡された紙切れを見ながら辞書の置いてある場所を教える。
『なになに…こ、これは!!』
ま、まさかこんな内容なんて。
今、凄く泣きそう。
「何なの?」
『ふ、楓ちゃん』
「ん?」
『数学教えてー!』
「………」
『お願い』
しばらく状況把握のため、停止していた楓ちゃんは理解したのかニコリと笑った。
「やだ」
まただ。またこの笑顔に騙されたぁぁ!!
「長太郎くんにお願いしなよ。私、今日は亮くんと遊びに行くの〜。だからやだ。」
『やだよー、長太郎は鬼なの』
「どうしたんですか?」
辞書をロッカーから取り出し帰ってきた長太郎に楓ちゃんが説明した。
今、非常にヤバい。
怖いんだ。長太郎が勉強を教える時は。だから、今のうちに逃げるべし!!
「逃がさないよ」
『!!』
「なんで、二年生の復習テストで20点ってどういう事?」
『い、いやね?それは…』
「俺、前日に教えなかったっけ?」
『そうだったかな?』
「今日の放課後はこのテストの問題を理解するまで帰さないからね」
『はぁ!?何言ってるのよ。あんた今日部活でしょ!』
「今日は部活お休みよ?ね、亮くん」
「おー」
いつの間にか、楓ちゃんの隣には宍戸が。
うぉい、いつ見てもラブラブだね。
暑苦しいな。
「芽依、聞こえてるわ。」
『へ?』
「丸ぎこえ。」
『あはは』
「あとで、お仕置きね。うふふ」
「ま、そういう事だからHRが終わってもこの教室から動かないでくださいね。」
はっ、また黒チョタが発動されている。
問題理解するまで帰れないって朝になっても帰れないじゃん!?
それは嫌だ。よし、逃げてやる。
「あ、そうだ。逃げたら…お仕置きだからね。」
『は!?ちょっ、楓ちゃんのあとに長太郎ってあたし死ぬじゃんYO!』
「そんな事」
「ないよね?」
「はい。」
うわぁ、最凶の二人がタッグくんだよー。
「ま、頑張れよ。」
(はぁ、なんで4X−3−2(7X−1)がこうなるのさ!)
(わ、分かんないから再テストになってるんでしょう!)
(ここまで馬鹿とは思わなかったよ、俺)
(ひ、ひどい!)
(大丈夫かな、あの二人)
(さぁ、うまくいってんじゃねえか?)
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新たな新キャラ。
椎木楓ちゃんです。読み方は"しいきふう"です。
宍戸の彼女。
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