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いつもと違う君


「……頭、いたい。」


目が覚めると朝だった。
頭はガンガンして、昨日どうやって寝たのか全く覚えてない。

「…あ、長太郎起きたのか?」

「宍戸さん、おはようございます。」

「お、おう…おはよう」


あれ?
なんだか、宍戸さん…俺に近寄らないようにしてる。

「あ、あの宍戸さん!」

「な、なんだ!?」

「え、えっと、俺昨日どうやって寝たのか全く覚えてないんですけど…知ってますか?」

「お、ぁぁ」

「?」


疑問に思った事を聞いてみると、突然あわあわと慌てだした。

聞いちゃ駄目な事を聞いたのかな?

「教えて欲しい?」

「し、椎木先輩!?お、おはようございます…」

「ふふ、おはよう〜。ところで長太郎くんは昨日をどこまで覚えてるのかな?」

「おい、楓…いきなり入ってくんなよ」

「あら、いいじゃない」

「昨日…ですか?」

「ええ」

昨日は確か…、芽依がジュースみたいな酒を飲んで……。

ここからどうだったかな。

「芽依が酒を飲んでしまったって…とこまでならなんとなく。」

「せーかい。その後、芽依が長太郎くんにお酒を飲ませて二人でバタンキュー。」

「ハァ…」


飲まされたんだ、アイツに。

「あ、そうそう。今日は芽依に近寄らない方がいいかも」

「え?」

「あの子も君と同じ立派な二日酔い。あと、向日くんも。」

向日先輩も?
あ、確か忍足先輩を襲ってたなぁ。

「この三人は今日の練習休む許可おりてるらしいからゆっくり休んで」

「そういう訳だ。長太郎、お前はゆっくり寝てろ。」

「え、でも…」

「お前は芽依に飲まされたあと、自分で瓶一本飲んだんだよ」

「………すいません」

「気にすんな。」

「食事になったら呼びにくるね」

「ありがとうございます」


ーーーーーーーーーーーーーーー



「全く覚えてないんだね」

「ああ」

「残念な事に芽依はあのシーンだけ、ばっちし覚えてるんだなぁ。他のは忘れてるのに」

「……なぁ、楓」

「なに?」

「俺ってチビなのか…」

「………ぶっ」

「な、何だよ…」

「気にしてたの?」

「……」

「チビじゃないよ、長太郎くんからすれば小さいけどさ」

「だよな!」

「うん」


ーーーーーーーーーーーーーーー

「長太郎くん、ご飯だよ〜」

「はい、今行きます」

お昼になって食堂に行くと芽依がいた。

いつものように近くに座ろうとしたら、いきなり顔を真っ赤にして逃げられた。

「は?」

なんで逃げる。

「俺、何かした?」

何かした覚えはないんだけどなぁ…。

「向日、鳳、野宮、てめぇら、俺様の前に来やがれ!!」


一人で考えていると、跡部さんに呼ばれた。

マイクを使ってるのに大きな声で言うから頭に響く。

「なんだよ、跡部。頭、痛てぇだろ!」

「うっせぇよ、勝手に人の家の酒飲みやがって…」

『…ごめんなさい。』
「「!?」」


い、今…。


「あれ、跡部と長太郎くんどうしたの?この世の終わりみたいな顔して」

「さぁ?」

い、今…芽依が素直に謝った!?

「お、おい…野宮」

『ほえ?』

「芽依、熱でもあるんじゃ…」

『!!』

バシッ

「……………え?」

『熱なんかないから、大丈夫!』



バシッ

さっき、バシッと手を叩かれた。
しかも力一杯。

痛いんだけど……


「芽依……?」

『お酒は弁償するわ、ごめんなさい』

「いや、別に弁償なんかしなくていい。注意しようとしただけだ…悪かったな」

「すいませんでした。」

「ごめん…」

「それと、向日」

「なんだよ」

「忍足をどうにかしろ。樺地のベットから出てこなくなった。」

「なんで?」

「お前が怖いんだとよ」



跡部さんからの注意が終わり、昼食をとろうと席に座る。

さっき、芽依に避けられたので日吉の前の席に座った。

「なんで、座るんだよ」

「駄目なの?」

「別にいいけど」


何も話さず、ただひたすらご飯を食べる。

ふと、思いついた事を聞いてみた。


「日吉」

「…あ?」

「俺、昨日芽依に何かした?」

「!!」


なんで、ここで日吉が真っ赤になるんだよ。

「し、知らねーよ!」

「なんで、真っ赤になるんだよ」

「うっせぇ!」

「芽依と日吉がこんな反応するって事は、俺なんかしたんだね」

「…覚えてない、のか?」

「うん」

「………………そうか」

「うん…教えてくれない?」

「断る。」

「やっぱり駄目か」

「知りたいなら、椎木先輩か宍戸先輩に聞け。ある意味被害者だからな」

どういう事だろう。
まぁ、宍戸さんに聞いてみよう。




Aに続く。





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