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無題





「誕生日プレゼント何がいい?」
と訊けば、
「お前。」
と返ってきた。
にやにやとタチの良くない笑顔付きで。
「却下。」
ベタなんだよ。よくそんなこと恥ずかしげもなく言えるな。
クリスマスの時にも御幸はそう言ったんだ。
そん時はその、流されてあ……まあいいや問題は今回はちゃんとしたプレゼントをあげたいってこと。
で早めに訊いたんだけど答えは変わらない。
しかたがない自分で考えようと思う。
まあプレゼントなんて欲しいもの聞いてあげるんじゃなくて自分で考えて買うのもありだよなということにして。
とりあえず少ない財布の中身と相談して、コンビニじゃなくて駅前まで行ってさんざん悩んで買った。
つまんないもんだけど使ってもらえるといいなと。
で、当日が今だ。
机の引き出しに隠しておいたものを倉持先輩が部屋を出てから引っ張り出す。
いざとなるとなんか物凄く恥ずかしい。
でもうだうだしてたら今日が終わってしまう。
うん。今から御幸の部屋まで行ってさりげなく渡してさっさと帰ってこよう。
「うしっ。」
と気合を入れて立ち上がったところでドアがノックされた。
返事もしないうちに開けられる。
「よお。」
「御幸!」
慌てて持っていたものを後ろに隠してしまった。
「な、なんで来るんだよ。」
「そりゃないだろ。傷つくなあ。」
いやそんなニコニコ顔で言われてもちっとも傷ついたなんて思えないから。
予定外の展開に焦りまくったけどよく考えれば二人きりで、プレゼントを渡すチャンスなんだ。
よし渡しちまおう。
そんなことを考えてた俺は御幸がさっさとドアをしめて(鍵も閉めて)近くにやってきてたのに気がつかなかった。
「みゆ…っ!近い近い!」
「何焦ってんだよ。」
「もう!ちゃんと渡しに行こうと思ってたんだよ。これ!」
「あ。」
「その、誕生日おめでとう。」
そう言うと御幸はとても嬉しそうな顔をした。
この男の笑顔をやらしいって感じないって珍しい。
こんなさわやかな笑顔もできるんだなんて見蕩れてたら抱きしめられた。
「ありがとう沢村。これもありがたく頂くよ。」
へ?
なんか今「も」って言わなかったか「も」って?
「実は倉持からも誕生日プレゼント貰ってね。今夜一晩部屋交代。」
「え……」
それってつまり。
「俺が欲しいって言ったものもくれるよな。」
御幸を見上げるとさっきの笑顔とは打って変わっていつもの、というよりいつもよりもそうとうニヤけた笑顔で。
なんか俺いろいろ無駄なことしたかもしれない。
結局そういうことになるんじゃん!
でもまああんな綺麗な笑顔を見れただけでもいいかなんて思ったりして。
誕生日だしね。
ということで少し恥ずかしかったけど
「わかったよ。」
と言って自分から御幸にキスをした。









「月の満ち欠け」萱野のはら様よりいただきましたv 
なんと私の誕生日プレゼントとして書いて下さったのですv もう凄く幸せでした!
御幸の誕生日プレゼントを一生懸命考える沢村とか、沢村を欲しがる(わおv)御幸とか、最高ですねv 
そして倉持先輩は何気にGJです!
本当に嬉しかったですvありがとうございました!これからも宜しくお願い致しますv










あきゅろす。
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