さてらいとちるどれん
幼少期
「いいものを持ってきてあげたよ〜！」
サテライトの母こと、マーサが何かをもって帰ってきたらしい
外で遊んでいた遊星やジャック、クロウは家の中に駆け込む
「いいものってなんだろうなぁ？」
クロウはニコニコしながら言う
「ふん、どうせいつもみたいにゴミでも持ってきたのだろう。マーサはいつもそうだ」
子供のくせに大人染みたジャックが言う
一同はマーサのところへ行く
そこにはとてもゴミとは思えないものがあった
「こ・・・これってまさか・・・？」
クロウは目を輝かせながらそれを見た
いつも無口でクールな遊星も口を開ける
「…デュエルディスクだな」
クロウはデュエルディスクをもって興奮する
「うわー！かっこいいー！」
夢中でデュエルディスクを触るクロウからジャックはデュエルディスクをひょいっと奪う
「あー！ジャック！？なにすんだよ！！」
「実際に使えるかどうか俺がテストしてやる！」
ジャックもやはり興奮しながらデュエルディスクを装備した
大人用なのだろう、ゆるゆるで腕からすべり落とそうだった
「…ゆるゆるじゃねーか…」
「う…うるさいなぁ！よ…良し！俺はツインブレーカーを召喚！」
カードをディスクの上に置く
だがなんの反応もしない
ジャックとクロウは唖然としている
遊星が渋い顔で結論をいう
「…でないな、壊れているんじゃないか？」
「なんだよぉ…期待したのに…」
「…マアアアアサアアアアア！！！！！」
どうやら一番悔しかったのはジャックらしい
子供みたいにマーサを怒鳴る
「壊れてるじゃないか！どこからもってきたんだ！！」
「そんな怒鳴るんじゃないよ！もう子供じゃないんだろ！」
「ぐ･･･っ」
ジャックは唇を噛む
「それで、どこから拾ってきたんだマーサ」
冷静な遊星がマーサに言う
「この中で一番大人は遊星だね〜！一番年上のジャックとは大違いだよ！」
ジャックは、くっ…と顔をそっぽに向ける
「このデュエルディスクはね、ゴミ貯めから…」
「ゴミ貯めなら壊れてるに決まってるじゃねーか！」
クロウは残念そうに言う
マーサは期待させてごめんね、と誤る
「ふん、この白けた空気の吹き飛ばすためにデュエルでもするか、クロウ？」
「え、俺がジャックとデュエルすんのか？」
「お前は俺に勝てないのは見え見えだが、暇つぶしにはなるからな」
「なんだと〜！！！」
そういって２人は、向こうの部屋へ行く
マーサも洗濯物をすると行って部屋を後にする
１人になった遊星は壊れたデュエルディスクを静かに見つめていた
*
「ジャック、クロウ…見せたいものがある」
あのデュエルディスクを拾ってきた日から３日後
遊星はずっと部屋にこもりっぱなしでほとんど話していなかったが、いつ出てきたのかわからないが話しかけてきた
「遊星！？いったい３日間も何やってたんだよ！？」
「いいから早く見てくれ」
遊星の顔はどこか疲れているみたいだ
顔色もよくはない
「…遊星、お前…寝てないんじゃ…」
遊星は、ジャックの言葉を耳にはせずあの壊れていたデュエルディスクを腕に装備した
「あ！このディスク！壊れてたんじゃ…それにサイズだって…」
「ジャンクウォーリアーを召喚！」
カードをディスクにセットするとソリットヴィジョンでモンスターが出てきた
「おおおおお！？すげー！これ壊れてねぇ！」
クロウは三日前のように目を輝かせながら遊星がつけているディスクに目をやる
ジャックも驚いて目を丸くする
「遊星…お前まさか部屋に閉じこもってディスクを直してたのか…？」
「…ああ、少しいじればすぐに直った…」
そういうと遊星は力尽き、床に倒れこむ
「遊星！！？？」
２人は遊星に駆け込む
そうとう疲れているらしい
「…平気だ、少し寝ればなんとか…」
そういうとジャックは遊星をおんぶする
「じゃっジャック！？」
「部屋に運ぶ、クロウ布団を用意しろ」
そのまま部屋につれていくジャック
「布団敷いといたぜ」
クロウは１つ布団を敷いていた
「遊星、下りろって…遊星？」
ジャックにおんぶされたまま、遊星は寝てしまったらしい
起こさないよう、優しく布団に寝かせる
その愛らしい寝顔に２人は微笑む
遊星を真ん中にして、ジャックとクロウは遊星を見つめる
「…遊星ってすげぇよな、ディスク直せるなんてさ…」
クロウが言う
「…だが他人のことばかり考えて、自分が見えていないがな」
「俺たちとは違うよな」
「…そうだな…」
「あら、こんな時間からお昼寝かい？」
マーサは笑いながら、川の字に寝ている三人に大きな毛布をかけてあげた
幼少期で何か書きたかった結果がこれだよ
さてらいとちるどれん はシリーズ化しようと考えている
…予定ですけどね
H21.508
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