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だってみんな家族だもん
『分かんないよおぉぉぉ…!』


ああああなんでこんなことになったのかないや俺が許したからだけどでもなんで許しちゃったのかな元はと言えば骸が連れてきたからででもそのままってのも人間として最低だけどあれもしかして骸って結構人間としてまともだったんだな俺嬉しいよいやそうじゃなくてああああぁ駄目だ混乱してきたああああ!!

始めから混乱してましたよ
by骸













退院してきた赤ちゃん達は今、俺の家の俺の部屋ですやすやと寝ている。ちなみに数日前にボンゴレの経費で買ってきたベッドで。これを置く為にいろいろと部屋を片付ける羽目になった。まぁ、どうでもいいんだけどさ。

「あぁ可愛いですねぇ僕と綱吉君の赤ちゃんvV」




こいつのこの発言に比べたらそんな些細なことどうでもいいよ





「違うだろ!俺とお前の子じゃないだろ!」

「あぁ、駄目ですよ、そんな大声を出したら僕達の子が起きちゃいますよ!」

うぜえ本当にうぜえ




なんかすっげぇ嬉しそうなんだけど。なんなのこいつ馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの?いや、でももしかしたら赤ちゃんを育てる知識とかちゃんとあるから引き取ったのかもしれない…!

俺は赤ちゃんのほっぺたをぷにぷにと触っている骸に聞いてみることにした。


「なぁ、お前さ、赤ちゃんを育てる知識とか、そういうのあるの?」

「え?いえ、ないですけど」










この単細胞の腐ったパイナップル…!!

どうしようもないくらい骸を殴りたくなって拳を固めたその時、突然赤ちゃん達が泣き出した。


「あわあわあわあわどどどどうしましょう?!」

「ええええぇ俺に聞かれてもっ!」

ふと時計を見ると、看護婦さんに教えてもらったミルクの時間だと言うことに気が付いた。よかった、ちゃんと話聞いといて…!

「よし、ミルクを作らないと!」

「あ、あぁそうですね!」

時計から目を放して骸に向き直ると、おしめとウェットティッシュとティッシュ箱を持っていた。

…………うん、とりあえず褒めてあげるべきなのかな…的外れだけど









「ミルクの分量は缶に書いてあるから良かったけど…人肌位の温度って…どんな…?」

「……………もうちょっと温かくした方が…?いやでもそれじゃ熱すぎるような…分からないですっ…!」




第一の問題点。
ミルクの温度が分からない。

母さんに聞こうにも買い物中だし、温度計なんて今無いよぉ!どこにあるかも分かんないし!看護婦さんに教えてもらったけどまだ分かんないし!

「「「ああぁあぁああ!」」」

そうこう悩んでいる間に火がついたのか、一掃激しい泣き声が二階から聞こえてきた。温度は分からないし泣き声はするしどうしていいか分からないしで頭の中がぐちゃぐちゃになってくる。

「うううぅ分かんないよおぉぉぉ…!」

「…何やってるのまったく…」



いきなり呆れたような声が聞こえてきて、台所の入口に目をやると、雲雀さんが腕を組んで立っていた。

「…なんで2人共半泣きなの?」

「だ、だって、分からなくてっ…!僕が不甲斐ないばっかりに…!!」

「ち、ちが、俺がいけなくてっ…!!」

2人して鼻を鳴らしながらお互いを庇い合う。
……今、この家の中で泣いてないのは雲雀さんだけだった。

「話は全部赤ん坊から聞いたよ。今からそんなのでどうするの」

「うっ…ごめんな、さい、」

「…っすみま、せんっ…」

「ふぅ…ちゃんと覚えるんだよ」


そう言うと雲雀さんはポットからボールにお湯を出してほ乳瓶を浸した。

「少し冷めてたから温めて。いい?これ位だよ」


俺の頬に布でお湯を拭いたほ乳瓶をくっつけた。温かい。人肌ってこれなんだ。
次に骸の頬にもくっつける。骸は温度を記憶するかのように真剣にほ乳瓶を見ていた。


「はい、あと2つ作るんでしょ?やってみて」

「はい…」









雲雀さんのおかげでなんとかあと2つミルクを作って赤ちゃん達に飲ませることが出来た。雲雀さんが来なかったらと思うと恐くなった。

「3人赤ちゃんがいるのですから、3人ミルクをあげる人がいないと駄目ですね。恭弥君、どうもありがとうございます」

「別にこの子達の為に来た訳じゃないよ。君らだけじゃ心配だったから」

「…それってやっぱり赤ちゃん達が心配だったんじゃ…」

「うるさいよ。あぁ、そうだ、げっぷさせるの忘れないでね」

「はい、それはちゃんと覚えてます!」



トントンと背中を叩いてお腹に入った空気を出させる。そうしないとモドしちゃうんだって。



「しばらくは君らだけじゃ心配だから僕もたまに来るよ」

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

「良かったですね、綱吉君!」




こうして、俺達に頼もしい助っ人が出来たのでした。









end





「そういえば、名前決めたの?」
「「あ…」」
「……ワォ…」




2人とも雲雀さんの赤ちゃんを育てる知識ばかりか実践的な所にツッコまないのを見ると相当焦っていたようですね。

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