だってみんな家族だもん
『どんな時にもプラス思考』
『どんな時にもプラス思考』ってなんて素敵なんだろうね。
俺は今まで友達とかいなかったからマイナス思考に行くことばっかり覚えちゃって。だって誰も悪い方向に行く考えを止めてくれないし。
まぁ、言いたいことはそこじゃなくて、『どんな物事でも良く捉える』ってことが出来たらきっと俺の人生は幸せだと思うってことが言いたいんだよ。あくまでも主観な考えだから他人から見たらどうかは分からないけど…
「ツナ、骸、こいつらを育てろ」
さすがに『どんな物事でも良く捉える』は出来ないよな、これ。
「………………あの、リボーン?何を言ってらしてるんですか?」
「日本語は正しく使えダメツナ」
「今、俺はお前の日本語が上手く頭に入っていかないんだけど…!」
「なんだ、頭パーになったのか?もともとだろ、諦めろ」
追い討ちだよっ…!
「ていうか、マジで言ってんのかよ!?
それに育てるって言ったって赤ちゃんを育てたことなんてないし、面倒見たことすらないんだぞ!?大体なんで骸と一緒なんだよ!」
「お前ら付き合ってんだろ?子供が出来る良い機会じゃねぇか」
「ななななななんで知って…!?」
「見てりゃ分かる」
ああぁ知られてたなんてっ…!
俺は恥ずかしさのあまりうずくまってしまった。一体いつから気付かれていたのだろうか。知られないように、骸とデートする時も目立たない格好したり(顔が良い骸はそれなりに目立っていたけれど)連絡とかもあんまり取らないようにしてたのにっ…!
ていうか…なんも思わないのかな……その、俺達、男同士なんだけど…まぁ、雲雀さんの時も抵抗とかいろいろあったけど、あの人は全く気にもとめなかったし…寧ろ応援…してくれたり…してますけど…………ああぁヤバいまた恥ずかしくなってきたっ…!いやいや、違くて!リボーンに嫌われたり…とか…あー…ちょっと………落ち込む…かもなぁ……
「おい、勝手に被害妄想してんな。別に嫌いになったりしねぇから。そういう偏見は持ってねぇよ」
「へ…」
俺はリボーンを見た。お得意の読心術を使って俺の心を読んだリボーンは相変わらず表情は読めないけど、でも、なんとなく、優しそうな雰囲気を出していると、思った。
「その話はまた後でな」
俺から視線を外し、今度は骸の方に向き直った。
「骸、お前は子供欲しいだろ?」
って忘れてたよ!!そうだよ、赤ちゃん達のこと話してたんだよ!!
何回も言うけど、俺達は子供を育てたことなんてないし、それに男同士だ。そんな俺達が一般家庭のように子供を育てることが出来るとは思えない。
いくらプラス思考が板に付いてる骸だってこればかりは無理だって分かってるは「本当に良いんですか!?」
「究極のプラス思考がここにいたよちくしょおおおぉ!!」
有り得ない!!何あいつ、後先とか考えてないの!?ていうか、リボーンがニヤリって笑ってんだけど!!なんか『ほらみろ』みたいな顔してる!
「骸!!良く考えろよ!!赤ちゃんだぞ!?育てるんだぞ!?」
「綱吉君がいれば大丈夫ですよ」
「何その根拠のない自信!?大体、養育費とか必要だし…!」
「その辺は心配いらねぇぞ。必要な費用はボンゴレが援助するからな」
「でもっ…!」
「綱吉君、」
「駄目…ですか…?」
っ…!卑怯だっ…!俺が頼み事を断れないランキング一位なのを良いことにっ…!
「〜〜〜っ!あぁもう分かったよ!」
「ありがとうございます、綱吉君!!」
がばりと抱き付いてきた骸にされるがままになって、俺は現実逃避を図った。
こうして俺達の、物語が始まるのだ。
END
出会い編終わり。
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