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だってみんな家族だもん
『馬鹿だこいつ』


「綱吉、赤ん坊はいる?」

「雲雀さん!」





今、ご登場なさったのは並盛中の風紀委員長にして並盛最強の雲雀恭弥。
骸とは良い『友達』。
骸は昔から友達がいなかったので(下僕はたくさんいたらしい)雲雀さんと友達になれて嬉しいみたいだ。雲雀さんも何気に嫌ではなさそうにしてる。似た者同時だからかな…?



「おや、恭弥君。何故玄関からではなく二階から出てきたんですか?」


そう、今この人は二階から下りてきた。また窓から侵入したのか!

「別に良いじゃない。それより赤ん坊は?」

「あ、今リボーンは出掛けてるんですよ…」

「そう。それで2人は玄関で何してるの?」


雲雀さんは首を傾げて疑問を投げかけた。確かに俺達2人が玄関で立ち話してるのは不思議に思われるかもしれない。

俺達の関係は、骸が一通り話した。俺は話してほしくなかったけど『恭弥君にはどうしても話したい』と言ってきたから、許してあげたんだ。骸にとって雲雀さんは大切な友達だから隠し事とかしたくないんだってさ。まぁ、分からなくもない。

「そうです、恭弥君!恭弥君に頼めば良いんですよ!」

「は?」


いきなり骸がパァッと笑って言った。骸は何か名案が浮かんだらしい。雲雀さんを指でさしてる。人を指でさしてはいけません。
雲雀さんはと言えば特に気にした様子もなく怪訝そうな顔をして骸を見てる。おかしいな、雲雀さんは『人を指でさすな』とか怒りそうなんだけどなぁ…

「骸にそんなこと言っても聞かないからね」

「人のナレーションに答えないでください」


なんなんだ、この人。ナレーションが聞こえてんのか。怖いな。
それよりも話を進めようよ。

「恭弥君、これを見てください!」

骸が俺を自分の横まで引っ張る。俺の影に隠れて見えなかった赤ちゃん達が、俺が退いたことで雲雀さんの視界に入ることができた。
雲雀さんは少し驚いた顔をしてダンボール箱に近づいた。ダンボール箱を覗き込んでから骸に向き直り一言。














「…骸、とうとう攫って来ちゃったの?」

だからなんでそうなるんですか!!
君達はそのことしか考えられないんですか!?」

「だって君、『赤ちゃん欲しいです!』って言ってたじゃない」

「言いましたけど!!いいです、そのことは今は忘れてください!」


俺と同じこと言ってるよ雲雀さん…

ちょっと涙目になった骸は雲雀さんにも事情を話し始めた。




「ふぅん…酷いことをする奴がいたもんだね。許せないよ」


雲雀さんはちょっと怒ってる。そりゃ、あんな小さな命をダンボール箱に入れて置いて行くなんてありえないよな。最低だよ!!


「並盛の秩序が乱れるじゃない」



あんたはそこなのか!気にするところはそこなのか!怒るところはそこなのかぁ!!怖くてツッコめないけど!!

「で、骸は僕に何を頼みたかったの?まさかこの赤ん坊達を『引き取れ』とか言ったら咬み殺すよ」

「違います。この赤ちゃん達を警察に届けてほしいんです。僕は行けませんから」

「綱吉にやらせればいいじゃない」

「綱吉君が赤ちゃんを抱っこしてる姿をみたら警察に引き渡しづらくなるじゃないですか!」

「……そう…」



馬鹿だこいつ。パインはパインらしく輪切りにされてしまえ。


ふと雲雀さんは赤ちゃんをダンボール箱の中から抱き上げた。あのちょっと髪の長い子ね。雲雀さんが赤ちゃんを抱っこしてる姿はなんか…うん………珍しいよね、うん。


「それにしても、この赤ん坊達はこんなにうるさくしてるのに全く泣かないね」

「寝てるからじゃないですか?」

そう言って骸も赤ちゃんを抱き上げる。あの黒髪で髪の短い子。
そういえば、さっきも怒鳴り声に近い位の大声で骸と言い合ってたのに全く目を覚まさないな…
そもそも生きてるんだろうか?肌は白いし動かないし…まさか人形?
気になった俺は金髪の赤ちゃんを抱っこしてみた。
肌の柔らかさはあまりないかもしれない。というより、骨が手に当たりすぎじゃないだろうか?それにこんなに赤ちゃんって軽かったっけ?いくらなんでも軽すぎる。息はしてるみたいだけど…



「……綱吉君」

「綱吉…」

どうやら雲雀さんと骸も何かしらの違和感を感じたらしい。俺達3人は顔を見合わせた。









「この子達、いつからあそこにいたんだろう?誰かこの子達にミルクを与えてたのかな?」







つづく



















『三人集まれば文殊の知恵』っていうけど実際どうなんだろうか?骸は馬鹿だから全く役に立たなさそうだけど。

これから三人はどうするんでしょうね?
ていうか綱吉、赤ちゃん抱っこしてんじゃん!

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あきゅろす。
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