想いが形になったのか?プリツナ
「ciao、デーチモ。邪魔している」
執務室に入って直ぐに目に飛び込んできたのは、認めたくないが自分と似た顔立ちを持つ初代が馬なりになった骸の上に乗り隼人に肩を揉んでもらい恭弥さんに靴磨きをさせている光景だった。
「カードゲームに興じていたのだがなかなかお前の守護者達が我に勝てなくてな。手応えが無いし面白みがないのでルールを付けてみたのだが…見ての通りだ」
「ルールが『負けたら奴隷』だった訳?超直感持ってるの知っていながらなんで乗るかな…ていうか、なんでこいつなんかに負けてんだよ馬鹿野郎共が」
「有無を言わせぬ瞳で見られては反論なんて出来ません…」
「そもそも隼人は逆らうなんてこと出来ない死ね」
「10代目、変換おかしくないですか!?」
「綱吉と同じ顔してるんだから無理に決まってるでしょ!?君に逆らった後の制裁を思い出して逆らう気が失せるんだよ!!」
「雲雀恭弥、あとでトイレに来い」
「反論してすみませんでした!!」
「骸、なんかハァハァしてない?なに、気持ち良いの?」
「この体制がつらいんですよっ…!!」
執務机に座ってそれぞれに言葉を放つ。
ったく、こいつに負けやがって阿呆共が。仕置きが必要だな。
大体なんで死人であるはずの初代が居るかと言うと、幽霊のようなものなのだそうだ。しかし、足もあるし誰にでも見れるし触れるし喋れるし普通の生きた人間と変わりない。違うのは壁をすり抜けられることと空を飛べることだろう。あと透明になれる。ようするに見えなくさせることも出来るってこと。なんてふざけた野郎なんだ。
そんな初代が何故、この時代に出てきたかと言うと、
「どうだ、デーチモ。我と勝負しないか?」
「負けたら奴隷になれって?俺は忙しいんだよ、出てけ。ていうか死ね。死人は土に還れ」
「肉体はすでに土に還っている」
「その穢れた魂は土に還れなかったみたいだな、可哀想に」
「お前に心配されるなど、嬉しい限りだ。お礼に全身全霊で可愛がってやろう」
「心配じゃねえ同情ですらねぇよキモイ目でこっち見んなキモイこと言うなさっさと逝け!!」
そう、こいつは俺の神経を逆撫でするために現れたのだ。
それ以外の理由なんて知らない認めたくない聞きたくない。
朝にベッドの中に入ってくるのも仕事中に体に触ってこようとするのも昼に押し倒してくるのも夕方に空き部屋に連れ込もうとするのも風呂に乱入してこようとするのも夜にベッドに入ってこようとするのも全て嫌がらせなんだそうに違いない。
「そろそろ本気でどうにかしねぇと10代目が倒れるな…」
「塩でもまけば?」
「無理ですよ、すでに毎日まいてますし風呂の時には塩を全身に塗りたくってるくらいですから」
「へぇ…ていうか、なんで風呂のことなんて知ってるの?」
「……僕がその塩を用意させられたんです。その内、『塩オンリーの風呂に入りたい』なんて言われるんじゃないかとヒヤヒヤしてますよ…」
「体に悪そうだから止めないとね…」
最近では守護者達に体の心配をされるようになった。それがどういった『体』の心配なのかは分からない。分かりたくもないが。内容に寄っては分かった時点で焼き払うかもしれないが。
それよりもそろそろ奴を本気で潰したくなってきたんだけど。あいつとやりあうとこの辺一帯にクレーターが出来るかもしれない。いや、でも指輪砕けば消えるかな…指輪に憑いてるようなもんだもんな、あれは。
「デーチモ、見目麗しいのだから言葉使いも綺麗にした方が良い。我はどちらも好みだが」
「じゃあ言うんじゃねえ」
俺が我を忘れ屋敷を崩壊させる日も近い。
end
初代がとんでもない変態に…!!orz
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!