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変態製造




マフィアの頂点に立つボンゴレファミリーの10代目ボス候補、沢田綱吉を観察し知ることで何かしらの役に立つと思われたのでレポートを作ることにした。これはその記録である。





〇月×日 晴れ
今日はとある女性の体に憑依してボンゴレを観察した。目の前でいきなり転んだ。恥ずかしそうに顔を赤らめこちらを見て走り去った。羞恥心は持っているようだ。





〇月×日 曇り
体育の授業でサッカーをやっていた。昨日の転んだ時の傷が痛いのか走ることはあまりしなかった。そのせいでボールを避けれず顔面に直撃していた。涙目にだった。クラスの男子に『ダメツナ』と馬鹿にされていた。あとで契約しておきましょうかね。





〇月×日 雨
突然降り出した雨に濡れてシャツが透けていた。あんな細い体のどこに人を殴り飛ばす力があるのだろうか。鎖骨の形は綺麗だ。足も細い。睫に付いた雫が瞳から落ちていった。僕は何を書いているのだろうか。





〇月×日 晴れ
不良に絡まれていた。暫く見ていたが殴られそうになったので思わず出て行ってしまった。仕方がないので不良を蹴散らした。沢田綱吉は驚いていたが戸惑いがちに、笑って、礼を述べた。どこまでも甘い人間だ。





笑った顔がチラついてしょうがない。これはなんだ。とにかく観察は続けなければならない。





〇月×日 曇り
クラスメイトと楽しく笑っていた。あの笑顔はなんだ。見たことがない。とりあえず気の儘にそのクラスメイトを病院に送りこんだ。





〇月×日 晴れ
千種に「あるものを見た時、胸にぐっと来るのは何か」を聞いてみた。答えは『萌え』か『可愛い』と言うことだった。……あれが可愛い…確かに小動物みたいな人間だ。
移動教室の時、忘れ物をしたのかかなり焦って廊下を走っていた。滑って転んだ。胸にぐっと来た。『可愛い』と思ったようだ。





〇月×日 曇り
沢田綱吉がアルコバレーノに『最近変な気配を感じる』と言っていた。そんなはずはない。ずっと見張っているが怪しい人間を見たことがない。もっと注意して見なければ。





〇月×日 曇り
もっと近くで見ることにした。今日の下着の柄はひよこだった。寝顔が可愛かった。アルコバレーノを起こさずに部屋に入るのは苦労した。





〇月×日 晴れ
風が強い。下着が飛んできた。ひよこ柄の。沢田綱吉のだ。思わずポケットにしまった。





〇月×日 晴れ
授業を観察していたら見つかった。木に登ってビデオカメラで撮っていたのがマズかった。「最近の気配はお前か!」と言われた。僕じゃない!!問答無用で殴られた。人違いも甚だしい。





〇月×日 晴れ
雲雀恭弥に会った。「ストーカーは犯罪だ」と言われた。だから僕じゃない!!誤解を解きに更衣室まで行った。沢田綱吉は着替えていた。ちょうど上半身裸だった。「なんでカメラ持ってんだ」と言われた。いつの間にか僕の手にはカメラが。無意識とは恐ろしい。殴られた。





〇月×日 晴れ
通販でメイド服が売っていた。沢田綱吉に着せたら似合うだろう。早速買って持って行った。

















「ギャアアアアァアアァアアァァアア!!!キモイもん持ってくんじゃねええぇえ!!」




「大丈夫です絶対似合います着てみてください!!」








沢田綱吉、は、変態、を、作り出した!




end



(『沢田綱吉観察レポート』より一部抜粋)










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