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☆エイプリルフール




「ねえねえアレルヤ」



ブリーフィングルームにいたアレルヤにフローラが声をかける



「なんだいフローラ」
「ハレルヤ貸して」
「ハレルヤを?」



フローラの意外な頼みにアレルヤはきょとんとした表情を浮かべる
普段ハレルヤを敵視しているフローラからは想像もつかない



「だってさ、ハレルヤ」
『フローラの頼みなら仕方ねェ、変われアレルヤ』
「うっ…」



アレルヤが頭を抱え俯いた
顔を上げると同時に変わっていた前髪の分け目



「よォ、珍しいじゃねーかフローラ」
「うん。ちょっと話があって」



いつになく真剣な表情のフローラ
ハレルヤもいつものニタニタした笑みを引っ込める



「あたしね、妊娠したの」
「…は?」



フローラの言葉にハレルヤは間抜けな表情を浮かべる



「だから、妊娠」
「…マジでか」
「おう」



再び ハレルヤは呆然とする


こういう時、どうすればいいかハレルヤは知らない
そんな時はアレルヤに相談だ!



「(アレルヤ、こーゆー時どーすりゃいいんだよ!?)」
『はぁ…君が考えなしに盛るからこんなことになるんだよ』
「(仕方ねーだろ!そそるフローラが悪い)」
『…とにかく、ちゃんと責任取るんだよ』
「(だから、それがわかんねーからお前に聞いてんだろーが!)」
『それくらい自分で考えなよ』
「おい、アレルヤ?アレルヤ!」



相談終了
一方的にハレルヤは無視られた



「…ハレルヤ?」



きょとんとフローラがハレルヤを見上げる

その表情すらハレルヤを煽る以外の何物でもない

すぐにでも襲…いや、落ち着けハレルヤ 相手は妊婦だぞ
確か妊婦は大切に扱うモンだ
くそっ!調子狂うぜ…



「フローラッ!」
「うわっ!」



ガシッとフローラの肩を掴んだハレルヤ
そのせいでフローラを驚かせてしまったようだ



「わ、悪い!大丈夫か!?」
「え?うん、まあ…」
「そうか…」



無事ならそれでいいとハレルヤは一安心する

そして決意を決めハレルヤが口を開く



「フローラ!俺がちゃんと責任は取ってやる!だから責任の取り方教えやがれ!」
「…はい?」
「だ・か・ら、責任取るっつってんだよ!」



そう言ったハレルヤの顔は面白いほど真っ赤だった



「ぷっ」
「テメッ!何笑ってやがる!?」
「ハレルヤ、今日何の日か知ってる?」
「は?今日は4月1日だろ」



そう 今日は4月1日
誰かの誕生日でもクリスマスでもなんでもない



「4月1日はね、エイプリルフールっつって、年に一度だけ嘘ついてもいい日なんだよ」
「…は?」
「だから、妊娠は嘘〜♪あー面白いモン見たわ」



そう言ってフローラは満足そうに笑う



この女…



ハレルヤの中で怒りが込み上げる



「フローラテメェ許さねー!!」
「きゃー!ハレルヤが怒ったぁ♪」
「待ちやがれッ!!」




フローラはブリーフィングルームを出て一目散に逃げ出した

その後をハレルヤが追う





『こんな簡単に引っ掛かるなんて…僕は憂鬱だよ、ハレルヤ』



アレルヤは今日が何の日か知っていたみたいです



ちゃんちゃん










―――――
ハレルヤはやっぱりバカで単純なんです

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