☆エイプリルフール
「せっ…刹那ぁぁぁぁ!!」
ダダダダっとフローラが突進する勢いで刹那のもとへ走ってくる
抱き付くつもりなのか、両手をいっぱい広げて
刹那はフローラの期待を裏切るかのように横へ身体をずらし避けた
フローラはズサーっと床をスライディングする
「い、痛い…刹那…(泣)」
「お前が悪い」
「…うっ…!」
いつもなら負けじと起き上がり飛び付いてくるフローラなのだが、今回は苦しそうにお腹を抑え踞る
「…どうした?」
さすがに心配した刹那がフローラに声をかける
「刹那…あたし、できちゃったんだ…//」
「…は?」
フローラの言葉に刹那硬直
「できたって…まさか…」
「うん…///」
頬を紅潮させ俯き加減に言うフローラ
刹那はフローラの手を引きそっと立たせる
「その…何と言うか…」
刹那は顔を真っ赤に染め必死に言葉を探す
「フローラ…っ」
「ぷっ…あははははっ!」
そんな刹那の反応を見てフローラが笑い出した
「…フローラ?」
「ごめんごめん。刹那、今日は4月1日だよ」
「4月1日…?」
4月1日 この日は何かあっただろうか…?
「エイプリルフールだよエイプリルフール!」
「エイプリルフール?」
聞き覚えのない単語に刹那は聞き返す
「知らない?エイプリルフールは年に一度だけ嘘ついてもいい日」
「嘘…じゃあさっきのは」
「うん、嘘」
してやったり という顔でフローラは笑っている
「ごめんよせっちゃん、面白いものみせてくれてありがとう♪」
そう言ってフローラは去っていった
その場に残された刹那は一人呆然と突っ立っていた
―――――
刹那は行事とかに疎そうだ
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