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☆黒猫



「せっちゃん、これつけて」



そう言って満面の笑顔を浮かべるフローラの手には黒い猫耳カチューシャ

刹那は何も言わずに視線をそらした



「ちょ、何で目そらすの」
「俺は何も見ていない…」
「ほらほら〜見ろ見ろ〜♪」



フローラは刹那の正面へまわり目線にカチューシャを入れようとする
それを刹那は見ないように必死に顔をそらす



「せっちゃ〜ん…」
「…」
「つ・け・て(はぁと)」
「…はぁ」



刹那は溜め息を吐きフローラの手からカチューシャを取る
それを刹那が付けてくれると解釈したフローラは刹那に輝いた視線を向ける

だが刹那の手にあったカチューシャは刹那の頭ではなくフローラの頭の上へ



「違うって、私じゃなくて刹那につけてほしいの」
「…無理だ」
「ぜったい似合うって!黒猫なんてまさに刹那じゃん!!」
「…どこがだ」



そこまでフローラが熱弁する理由を聞いてみる



「素っ気ないとことかいつもミルク飲んでるとことか!」
「…フローラ」
「何?」



刹那はフローラの頬に手を添え耳元へ口を近付ける



「俺は猫じゃない」



耳元でそう囁くとそのままフローラの頬に口付ける



「猫耳はお前の方が似合う」
「…刹那の方が似合うってば」
「違う。俺は…」
「『俺は』?」



刹那とフローラの視線が交わる

少し間をあけ、刹那が口を開いた



「俺はガンダムだ」
「…」



フローラは何も言わずそのまま立ち上がった



「刹那、頑張ってガンダムになってね。応援してるよ」
「…ありがとう」



複雑な心境のままフローラは刹那の部屋を出た















(まさかあそこでガンダムって言うと思わなかった…)

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