バレンタイン数日前【極上】
聖奈×まゆら
「う、わぁ…」
「どうしたの?」
購買部に聖奈を迎えにきたまゆらは、入るなり購買部に充満していた匂いに顔をしかめた。
「どうして購買部がチョコレート臭いんですか?!」
「…そんなに匂う?」
「えぇ、かなりきついです」
カウンターに座っていた聖奈の前で立ち止まる。
購買部の一角、目立つところに山積みにされた可愛らしく包装された何かをまゆらは指差す。
「なんです、あれ?」
「匂いの原因よ」
「あれ全部チョコレートですか…。入荷とか聞いてませんが?」
「家庭科部の子達が置いてほしいって言ったのよ。うちは包装しかお金掛かってないし、売り上げが上回れば購買部に赤字は出ないわ」
「売れる見込みがあるんですか?」
「実際、結構売れてるのよ?」
「そうなんですか…」
チョコレートの山から一つ、適当に選んで聖奈に渡す。
「買うの?」
「最近チョコレート食べてないですし」
鞄から財布を取り出し、いくらですか?と聞くと、聖奈は膨れっ面をした。
意味が分からないまゆらは首をかしげ、どうしたんですか?と聞く。
「バレンタインの日にあげるじゃない…」
「勿論もらいますよ?」
「それ、家庭科部の子の手作りよ?」
「そうですね」
むぅ。と膨れる聖奈を見てまゆらは笑った。他に人にはこういった表情を見せることはない。自分は特別なんだなぁと、聖奈の表情を見て思う。
自分ばかりが好きなんじゃないかと不安になることだってある。だけど、自分の事になるところころ表情を変えるのを見ると安心できる。
「これぐらいいいじゃないですか。一緒に食べましょう?」
「うん…」
「これ位で嫉妬してたらきりないですよ」
頭を軽くぽんぽんと叩く。上目遣いで見てくる聖奈が少し子供っぽくて思わず笑ってしまう。
「駄目ですか?」
「うん、ちょっと嫌かな…」
「なら買いません」
チョコレートの箱を元あった場所に戻す。それを見ながら聖奈は申し訳なさそうに笑う。だけどその笑顔はどこか嬉しそうにも見える。
「バレンタインに貰いますからね」
「やっぱり他の子のも受け取るのね」
「聖奈さんだって貰うじゃないですか」
「そうだけど…」
「聖奈さんは貰う量が異常なんですから、私の気持ちも考えてくださいよ…」
「まゆらちゃんも嫉妬したりするの?」
「人並みにはしますよ」
それを聞いて聖奈は嬉しそうに笑った。普段の笑顔とは別の、緩みきった笑顔。
「ホント、その顔はずるいですよ」
「?」
普段可愛いと言ってくるこの人が一番可愛い存在だと思います
+++++++++++++++++++
まゆらにデレデレな聖奈さん可愛いなぁ
でも受けではまゆら総受けが好き!!
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