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大切なもの【東方】



魔理沙×アリス
※魔理沙の死ネタ




「なぁ、妖怪になろうと思うんだ」
「止めないけど、私と別れてね」


ビックリさせようと思って話した魔理沙だが、アリスの発言に反対にビックリさせられた。


「短い命で一生懸命頑張って輝いてる魔理沙を好きなの。妖怪になった魔理沙に興味ないわ」
「興味ないってお前…」

酷いぜ。と言いながら机に項垂れた。


「…どうして妖怪になんて言い出したの?」
「アリスと一緒に居たいから」
「そんな理由じゃ駄目」
「アリスは居たくないのかよ」
「一生好きでいるつもりよ。でも一生傍にはいらない」
「私が死んだら吹っ切る確率高いな…」
「魔理沙以上の人間が現れたら、ね」
「お前っ!」
「だから今のうちに頑張んなさい。誰にも越えられないような素敵な人になってよ」

そうしたら魔理沙を忘れないでしょ?
言って紅茶を飲む。
魔理沙はアリスを見ながら、悪戯味を帯びた笑みを浮かべた。


「なぁ、欲しいものがあるんだが」
「これ以上私から何を奪うってのよ」
「アリスの大切なもの」
「上海はあげないわよ」
「即答かよ…。まぁ違うんだけどさ」

私のと交換しようぜ。



*****

「いっ」


針で左手を刺してしまい、ぷくりと小さく滲み出た血を舐める。


「汚い指」


アリスの向かいで本を読んでいたパチュリーがポツリと呟いた。
本日アリスが左手を誤って刺してしまったのは5回目。絆創膏は貼らずに、止血したら作業をしている。


「不器用な魔理沙が悪いのよ」


右手を握ったり開いたりと動かす。時々アリスは右手をマッサージしたりして動きをよくさせている。


「まぁ、そこまで動かせたら上出来じゃない」
「あの薬師、もう医者って名乗ればいいのにね」


左手で右の肩を撫でる。
アリスの右の腕は魔理沙のもの。人形師として大切な手が欲しいと言い出し、悩みに悩んだ挙げ句に永琳に相談してみると、案外易々と力を貸してくれた。
神経はアリスのもので繋がっているが、筋肉や細胞のほとんどは魔理沙の右腕のままなので、器用さは魔理沙レベルなのだ。


「交換してから100年、まだ慣れないのよね…」
「交換して間なしの頃に比べたら大分マシよ」


パチュリーの言う通り、始めは指を動かすことすら困難だった。
だが利き手と云うだけあって、使用頻度が高いからか動かす事に慣れるのは早かった。だが細かい作業には未だ慣れず、指を針で刺すのもしばしば。それでもそれはアリス基準のもので、普通を基準とすれば針で刺しても当然な速さで作業をしている。


「後悔はしていないの」
「指先を血だらけにしているのに?」
「魔理沙の腕だからね、ある程度の不器用は諦めるわ。でもこの発想のお陰かしら、まだ魔理沙が好きなのよ」



いつだって魔理沙が傍に居てくれている気がして、亡くなった後も不思議と寂しさは感じなかった。
ずっとこの腕で頑張ろう。魔理沙も一緒に頑張ってくれている気がするから…


+++++++
これって甘いのかな?
シリアスではない、けど
マリアリ好きだ(*´ω`)


1万hit Thanks!

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