心ない人形【東方】
さとり×アリス
「有り難う」
空のカップに紅茶を淹れてくれたさとりにお礼を言った。
別に淹れてと頼んだ訳ではないが、先程アリスが紅茶を飲み干したときに空になったと思っただけ。
「飽きないのね」
アリスが言うとさとりは首を傾げた。
何を指して飽きないと言っているのかは分かっているが、唐突にどうしたのだろうと思った。
「居心地が良いのですよ。静かで好きです」
「誰も居ない所ならもっと静かよ」
「それは寂しいじゃないですか。誰かが居て好きな場所は地霊殿と此処ぐらいですから」
好きな場所って…喜ぶと思って言ってんの?と心の中で言ったアリスに、さとりは小さく笑った。
「そうだとしたら、どうします?」
「どうもしないわ」
済ました顔で言うが心の中はそれなりに焦っていて、それが相手には筒抜けであることに気付いて慌ててしまい、冷静な判断が出来ないでいる。
「可愛い反応をされるとからかい甲斐がありますね」
「悪趣味…」
「可愛い貴方が悪いのですよ」
感性を疑うわ。心で毒づいて紅茶を飲んだ。
「悪趣味の者を置いておく貴方は物好きですね」
むぅ。と口を少し尖らせた。アリスも女の子で、お世辞でも可愛いと人を追い出す程非道ではないし、さとりはそこまで嫌いな相手ではない。
「嫌いではない、と言うことは好意があると?」
「ないわ」
「心は否定しきれていませんが?」
「…知らない」
「やっぱり可愛いです」
言いながら席を立ったさとりにアリスは首を傾げた。
「そろそろお暇させて頂きます」
「そう」
「また来ても良いですか?」
「来るなと言っても来るんでしょ」
「えぇ、そう思っていないようなので」
「読めても言うな」
「よく言われる気がします」
では。と言い背を向けたさとりにアリスは小さい声で
「今度はおやつ時よりも前に来なさいよ。お菓子でも作るわ」
クッキーとか。と言った。さとりは柔らかく微笑んで、有り難うございます。と会釈をした。
頑張って作ろう。そう思ったのだが、ドアを閉める前に
「私はクッキーよりマドレーヌ派です」
といらない言葉で、やる気が薄れてしまった。
だけどそれは今の話。実際さとりが来れば、嬉々として作るのだった。
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難しいですね
さとアリじゃなく、さとりが難しいのかも知れないです・゜。(⊃Д`)・。゜
一万hit Thanks
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