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#4 イケメンに挟まれ



誰か助けて下さい








「跡部さん…」
「あ?」
「やっぱちょっとコレは……」
「黙って食え」



ただ今、某高級ホテルの最上階レストランでランチをいただいています。

「ちょっと高すぎるランチかなぁ……と思うのですが…」
「文句あんのか?アーン?」
「いえいえいえ滅相もございません!」


物っっ凄く睨まれたのでこれでもかというぐらいに首を振ると本当に面白ぇ奴だな、と笑われた。

む…、嬉しくないぞ…





「……で、何でランチを?」
「腹減ったからに決まってんだろうが」
「いや、そうじゃなくて…」
「気にせず食え」
「…はい」

この自己中め!俺様め!

「…だからお前口に出てんだよ」
「ごごごごめんなさい!!」



ハァと溜め息。

嗚呼、その姿さえも絵になるんですね…


「お前この後の予定は?」
「撮影の続きと夜はバライティーの収録が…」
「ほぅ…」
「………な、んですか?」

ニヤリと口角を上げた跡部さんに嫌な予感を察し聞き返したのだがスルーされてしまった。
なんだか後が恐いけど何も聞かないことにしよう、うん。












ランチ後は撮影現場に戻り何事も無く無事終了。
跡部さんは私を現場に戻した後、すぐに居なくなってしまった。

これで心置きなく仕事に集中できる!








そして、今はバライティーの収録前です。


カメラチェック中にお茶をコクリ。
今日の出演者って誰だっけ?
下段は大物さんでしょ〜、上段はお笑いが3人と…あぁ確か隣は、





「よっ、名前ちゃん」
「あ、お久しぶりです。白石さん」
「また今日は一段と胸出とるなぁ」
「これしかない…ってほど威力は無いですけどね」
「いや、充分ちゃう?」

そうですか?と返すと胸の大きさで女の価値は決まらへんよ、と頭をポンと叩かれた。
お優しいお言葉は嬉しいんですが、久々に会った会話が胸の大きさってどうなの


「そういえば跡部君と仕事するんやて?」
「へ?え、何で知ってるんですか?」
「社長が嬉しそーに言いまくってたで」
「え゙…」

もうこの事務所いやだ…


「気難しいらしいからな跡部君。まぁ頑張り」

爽やかにニコリとそんな台詞を吐いた白石さんはまさに王子様だと思う。



「えぇな〜跡部君。俺も名前ちゃんと仕事したいわ」
「あ、じゃあなんか企画練ってもらいます?」
「おおっ!じゃあそん時はもっと胸出していこか!」
「……白石さん、それはアウトです」





同じ事務所の先輩、爽やか系かつ王子様系タレント白石蔵ノ介は…



跡部さんに負けず劣らずのセクハラ男です。








「ははは、やっぱおもろいなぁ名前ちゃん」

再び頭にポンと手を置かれた瞬間、真上から声がした。





「白石、勝手に手出してんじゃねぇよ」





その声は確実にここにいるハズがない人物。


…あれ、肩がとても重くなった気がするんですが
ついでに谷間に手が入ってる気がするん、です……が…?





「ギャァアアアアア!!!」
「叫ぶんじゃねぇよ、うるせぇ…」

耳に唇を寄せながら囁く声はやはりアノ人で…。
つーか唇!耳に触れてますからああ!


「あ、とべさん…何でここに!?」
「俺がゲストだからな」
「ええ!そうだったの…」

台本があっても無いような番組だから読んでなかったよ…嗚呼、馬鹿だ私…



「自分の出る番組くらい把握しとけ」





耳元の感触に耐えといると谷間にあった手の平がスルッとアンダーラインを撫でる。

服の中で、だ。


「ひああっ!ちょ跡部さッ…!」
「アン?何だ感じてんのか?」



腕を離そうと手首を掴むがビクともせず、跡部の手は徐々に中心に向かっていた。
助けを求めて隣を見る……








「名前ちゃん、もっとこう…エロい顔してやー」
「………」



忘れてました


このヒト変態でした…








イケメンに挟まれ

動けません…

(オイ白石、色目使ってんじゃねぇよ)
(跡部君、それはちゃうで!エロ目や!)
(白石さん…)
(相変わらずの変態っぷりだな)
(それは跡部君やって変わらへんやん)
(うんうん)
(…黙れ)



――――――――――
白石はただの変態な先輩。
芸能界で1番仲の良い男友達だそうです





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