#2 今日のラッキーカラーは赤
不安(不満)がいっぱいです。
連れ込まれた会議室は当然の如く人っ子一人いなかった。
こんなところで何する気ですか
あ、鍵閉められた…!
「ここに座れ」
跡部と真正面に置かれた椅子。抵抗を諦めて渋々座る。
しかしミニスカだったことも忘れて少しだけ足を開いてしまった。
「赤か、大胆だな」
「は?……あぁ!」
今朝の占いが気になって勝負下着なんて着けてくるんじゃなかった…。
だって運命の人と出会えるって書いてあったから!
「ちょっ、見ないでよ!」
「見せんのが仕事だろ?」
「下着は見せませんっ!」
だからただのセクハラだってばっ!
そのセクハラお兄さんは、頭のてっぺんから足の爪先まで睨み付けるように見つめている。物凄く眉間に皺を寄せて…。
「立て」
…それよりもこの命令口調をどうにか出来ないのかしら!こんなのが好きだっていう女の子がいるから世の中不思議だよ…。
顔はイイのよ、顔はね。ただ性格悪そ…
「全部声に出てんぞ」
「ひぇっ!?」
考えに耽ってたらいつのまにか跡部が目の前に。そしてまるで子供を立たせるかのように脇に手を添え持ち上げた。
「見た目の割に軽いな…」
「それは褒めてるんですか、けなしてるんですか」
「好きに取れ。次、脱げ」
……………は?
「ちょちょっ…跡部さん!?」
「うるせぇ黙ってろ」
「いやいやいや黙れませんて!」
断固拒否する姿勢を見せるものの既に服の裾に手をかけられている。
これって 強 姦 ですよ!
社長社長!ヘルプミー!
あ、でも社長は仕事第一人間だから助けてくれないだろうなぁ…
必死に抵抗する名前の想い虚しく、拒否の姿勢も気にする事なく跡部は既に胸の辺りまで服をめくっていた。
「何なんですか!訴えますよ!」
私、頑張った!声震えてるけど!
「ただサイズ計るだけだ。ギャーギャーうるせぇんだよ」
「さっ…さいず?」
「頭の悪ぃ発音すんじゃねえ」
「すみません…」
メジャーも何も持っていないこの男にどうやって測るのか聞いたら「俺様は目で解んだよ」と返された。
「それって目測…」
「俺の目は正確だ」
「あ、そうっスか…」
…ん?でもちょっと待てよ?
「別に下着じゃなくても…」
「俺は構わねぇ」
「私は構います!」
一体誰が見ず知らずの男に下着姿を晒したいと思うだろうか。
しかし、反抗する名前の手を押さえ込み跡部は脱がしにかかっていた。
「あ…跡部さん…っ…」
「動くんじゃねぇ」
「だっ…て…」
「終わった、服着ろ」
「早っ!!」
下着一枚の恥ずかしさからずっと下を向いていると1分もせずに終わりの声が…。ポカンと跡部の顔を見上げていると、脱がされた服が頭上から降ってきた。
「いつまでそのみすぼらしい体を見せる気だ…さっさと着ろ」
「ひ…酷っ!!これでも一応Cなんですけどっ!」
「知っている」
サラリと返した跡部は何の詫びも無くそのまま「じゃあな」と言って部屋から出ていってしまった。
一方、残された名前は…
「一体…何だったのよ……」
ぺたりと床に座り込み勃然としていたのだった…。
今日のラッキーカラーは赤
(着てくるんじゃなかった…)
(名前!事務所の為に頼むわよ?)
(社長ぉ〜…)
(服サイズ通りに直しましたよ)
(あぁ)
(流石ですね、服の上からでもサイズが解るなんて)
(いや、今回は直接見たがな)
(……え?)
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