凌統の朝食 (L)
呉の城内にて。
「凌統ーー!!」
寝ている凌統の体を揺すり大声で叫ぶ名前の姿があった。
「凌統ってばー!!」
再び部屋中に響いたその声に気付いた凌統はうっすらと目を開け声の主へ目を移した。
「……朝からなんて大胆
「いっぺん死んでみる?」
体を起こしながら首に回してくる凌統の手を払いのけ冷ややかに返答する名前。
朝っぱらからなんてこと言うんだ
「いいじゃん…減るもんじゃないし…」
「減る。少なくとも凌統への信用度は無くなるわね」
「ちぇっ…」
拗ねて布団に包まる凌統の姿は可愛いが今はそれどころではない。会議なのだ。殿や他の方々を待たすなんてことは許されない。
「だからっ!起きてってば!」
「…接吻してくれたらね」
「せっ!?」
接吻だとぉおおお!!!?
顔を真っ赤にしている名前に対し、接吻をお願いした当の本人は寝ぼけ眼で見上げてくる。
可愛い、と思ってしまうのだがそれが凌統の作戦なのだ。騙されてはいけない。
無意識に振り撒く彼の色気は実は『無意識に』ではなく『常に意識的に』だったことに気がついたのはつい最近だったりする。
「もう早く起きてよ」
「だからしてくれたら起きるっての」
「っ……」
このままでは私が怒られてしまう
一昨日、書簡の提出が遅くなり陸遜に「貴女も武将としての自覚がありません!」と怒られたばかりだ。しかしその原因は提出日前の凌統の悪戯であることは陸遜も解っていたらしい…。
「…仕方ないなぁ」
思いがけない名前の言葉に凌統は目を見張る。そんな表情さえ可愛いな、なんて思ってしまう自分はやはり相当凌統が好きなんだろう…。
名前の顔が近づき
柔らかい唇が軽く触れた…。
「ほら、早く起きてよ」
頬をほんのり赤く染めながら凌統の体をを起こそうと手を伸ばしたが、その手は凌統を掴むことはなかった…。
凌統が名前の手を掴んで制止しだのだ。
「ちょっ!凌統?」
「アンタさ、甘いんだよね、考えが」
「…へ?」
名前が気付いた時には景色が反転し、目の前には覆いかぶさってきた凌統…
「煽られたら普通ヤるでしょ」
「煽ってないしっ!」
「男って朝盛ってんの、知ってた?」
「うっさいっ!!」
上に乗しかかるガタイの良い体を押し返すがやはり相手は男、ビクともしない。しかも余裕の笑みを見せているほどだ。
「自業自得だよ、いただきますってね」
「ぎっ……ぎゃあああああ!!!!」
凌統の朝食
(どうして遅刻したんですか)
(あー…ちょっと朝食を)
(それぐらい後で食べて下さい)
(いやぁ我慢出来なくてねぇ)
(名前殿も気をつけてくださいよ?)
(わ、私は不可抗力ですっ…!)
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